2013 Fiscal Year Research-status Report
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23653165
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
千葉 千恵美 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 教授 (00352550)
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Keywords | 国際結婚児と家族支援 |
Research Abstract |
2012年11月から12月の2ヶ月間、全国保育所(園)リストから系統的抽出(10おきに抽出)により2368園の保育所(園)を選出し、保育現場である保育所(園)にアンケート調査の依頼と発送をおこなった。アンケート調査内容は、1) 園の特徴(保育所(園)・幼稚園、認定こども園・公立・私立、総園児数,2)国際結婚している子どもの人数、,3)その子どもについて年齢、性別、家族構成,4)①困っていることは何か,②どのような対応をとっているか,③国際結婚の子育て・家族支援に望むことは何かである。 結果 有効回答数は976園(41.2%)であり、公立保育園606、私立保育園253、公立民間委託20,未回答20であった。有効回答の園の総園児数は95807人、外国籍児と国際結婚児は1697人、割合は1.7%であった。「困っていること」について回答では「コミュニケーション」が264、「困っていない」が255、「生活習慣(文化、宗教を含む)」が122、その他が33であった。他の2つの回答については現在解析中である。 考察 外国籍児・国際結婚児の割合は1.7%であった。「困ったこと」では、「コミュニケーション」を上げている園が最も多かった。2番目に多かったことは「特に困っていることはない」という回答である。記述内容には、両親のどちらかが日本人である、日本語が堪能であるという記述が目立つなど、言語的な問題をクリアしていると、園での対応がしやすいことが推察できた。3番目に多かったことは「生活習慣の違い」である。記述回答では、宗教の違いによる食べ物の問題である。このような状況のある保育園では、除去食の提供に苦慮している記述が目立った。また、登降園の時間が守れないことや保育所(園)で依頼している大切な書類の提出期日を守れないなど、日本とは異なるおおらかな社会性も困難性を引き起こしていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的達成度について 平成25年度は、全国アンケート調査のデータ分析を都道府県全て行う予定であったが、入試広報の雑務で追われ、大都市である2都県、東京都148園と神奈川県160園計308園のみの分析になってしまった。先行的研究である比較的国際結婚児の多い群馬県と東京都・神奈川県2都県の比較ができ、大都市における国際結婚児数が多いことが判明した。 平成25年度では、この研究結果を第66回日本保育学会ー国際結婚への子育て支援―現状と課題についての全国調査ーで発表している。また関連した学会報告では、第30回日本家族研究、家族療法学会では家族支援の視点から「国際結婚児の現状と課題に関する全国調査」全国保育士養成協議会第52回研究大会で「保育者養成における地域子育て支援の役割」を発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度途中になっていた全国調査のデータ3年間の総括を行い、研究活動のまとめを行う。更に研究結果を学術誌投稿し、論文作成を行い発表報告をかたちにする。 昨年地域で家族支援をしているとよおか国際交流協会を訪問した。大阪では公営民間の施設が、保育所と連携し、国際交流事業の一環として国際結婚児、家族の支援を具体的に行っていたのを見学できた。今年も同様、保育所と連携して支援している地域で活動を行っている国際交流センターの訪問を考案している。また海外学会でCollaborative、Family Healthcare Assosication16thでの報告も予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際結婚児を多く受け入れている保育所(園)訪問を3か所予定していたが、実際に訪問できたのは、保育所で支援をお願いしているとよなか国際協会1か所であった。そのための予算に使用額が生じてしまった。 今年は、国際結婚児を受け入れている保育所と連携している国際交流協会を訪問予定している。
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[Book] 家庭支援論2013
Author(s)
千葉千恵美共著 林邦雄 谷田貝公昭監修
Total Pages
146-156
Publisher
(株)一藝社
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