2011 Fiscal Year Research-status Report
「トキ夢プロジェクト」が地域住民の意識・環境配慮行動に与える効果に関する研究
Project/Area Number |
23653178
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
山本 義史 日本文理大学, 工学部, 教授 (60230596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 嘉雄 日本文理大学, 工学部, 教授 (00299679)
上野 徳美 大分大学, 医学部, 教授 (50144788)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | トキ / 環境問題 / 環境配慮行動 / 心理的健康 / 自然観 |
Research Abstract |
科研費の交付が10月も迫ってのことであったので、本年度の計画を若干変更して、調査に必要な尺度構成および機材の整備に充てた。また、調査協力者の確保と九重町久住・竹田地区地域住民の意識調査のことも鑑みて、地元住民から訪問調査員を2名選定し、依頼した。久住・竹田地区の研究フィールドでの調査に向けて現地での人間関係を強くし、自然学校をはじめ、諸学校関係者やトキが住める里作りの関係者にも声をかけ、調査依頼をしている。さらに、筆者らが過去に収集してきたデータを分析して、これからの調査研究に備えた。そして、過去のデータ分析によって、以下の尺度の一部が児童の自然観や心理的健康や環境配慮行動を規定していることが明らかになってきている。これらの分析も並行して継続する。研究計画書にあるように進めてきた尺度構成は以下のとおりである。 (ア)自然観(アニミズムなど)・コスモロジー、(イ)自己肯定感・価値観、(ウ)地域への誇り・愛着、(エ)感動・感激・不思議、(オ)生きている実感、(カ)自然・社会への参加・生活、(キ)夢、(ク)自然回復・維持、(ケ)共生・便利さの抑制、(コ)人間関係・家庭などの人間観、(サ)町の活性、(シ)人間の活性・身体的心理的健康、(ス)貨幣・資本主義・商品流通経済行動、(セ)環境配慮実践行動など。これらの変化を自然体験前後で比較し、因果関係を特定する研究を継続していく。今後の調査実施に向けて、共同研究者とともに以上尺度の信頼性・妥当性検討をしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査協力者の確保と地元住民から訪問調査員を2名選定し・依頼し、尺度構成および機材の整備もほぼ終了し、調査協力者や訪問調査員を確保したのであるから、達成度としては8~9割程度であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の実施とともに、どのような体験活動でどのように態度(効果)や行動が変化したかの測定・評価をしていく。独立変数として、以下の項目を考えており、上述の態度(効果)評価項目を媒介変数もしくは従属変数として、適宜事前事後調査を行い、加えてそれらの相互関係性について分析する。(ア)自然体験活動(自然学校・自然保護活動・農林水産業体験活動も含む)(イ)「トキゆめプロジェクト」活動(ウ)人間関係活動など。 したがって、仮説としては、上記の独立変数が自然観など態度(効果)へ影響を与え、さらにそれらを通じて環境配慮行動を規定していくという経路を考えている。そして、自己記述式尺度では測定できない表情・参加度・活動性・場面の感想などは研究補助者(環境教育同好会学生によるデータ入力・ビデオ起こしも兼ねる)がビデオに録画したり、直接インタビューしたりする。さらに、先の尺度を適宜成人用に改変して用いて定期的に縦断的に九重町民(標本抽出)の意識調査を行い、時系列的・縦断的な意識・行動の変化を特定する。同時に、このようなプロジェクトを受け入れるような素地や心理的傾向が地域にあると仮定して、他地域と比較検討する。調査を同様に継続する。環境教育の効果を検討し、次なるプログラムを開発し、実施して対照条件と比較検討する。 平成24年度の調査を同様に継続する。さらに、前年度までの成果をふまえて、詳細な検討に移る。また、研究報告のまとめと発表・公刊にあてる。さらに、環境教育プログラムの個別的対応をも探る。特定の子ども(例えば、集団になじめない子やのんびりした子、不登校の児童・生徒、ひきこもり傾向の青年)に注目したサポートのあり方を検討する。自然体験活動にて、研究補助者に個別についてもらいビデオで録画しながら、事例研究的にデータを収集し、最終的にプログラムの弾力化を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費:物品費20万円、旅費20万円、謝金等20万円、間接経費:15万円
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