2012 Fiscal Year Research-status Report
「トキ夢プロジェクト」が地域住民の意識・環境配慮行動に与える効果に関する研究
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23653178
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
山本 義史 日本文理大学, 経営経済学部, 教授 (60230596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 嘉雄 日本文理大学, 工学部, 教授 (00299679)
上野 徳美 大分大学, 医学部, 教授 (50144788)
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Keywords | 環境問題 / 心理的健康 / 自然観 / 環境配慮行動 |
Research Abstract |
今年度、訪問調査員1名を選定し、依頼した。そして、トキにかかわるプロジェクト参加住民に対して訪問調査およびアンケート調査を行った。また、トキにかかわるプロジェクトに参加しなかった住民を対照条件として調査を行った。そして、プロジェクト参加の有無や仕方による環境意識や環境配慮行動の比較・分析を行っている。 さらに、筆者らが過去に収集してきたデータの分析によって、以下の尺度の一部が児童の自然観や心理的健康や環境配慮行動を規定していることが明らかになってきている。これらの分析も並行して継続する。研究計画書にあるように進めてきた尺度構成は以下のとおりである。 (ア)自然観(アニミズムなど)・コスモロジー、(イ)自己肯定感・価値観、(ウ)地域への誇り・愛着、(エ)感動・感激・不思議、(オ)生きている実感、(カ)自然・社会への参加・生活、(キ)夢、(ク)自然回復・維持、(ケ)共生・便利さの抑制、(コ)人間関係・家庭などの人間観、(サ)町の活性、(シ)人間の活性・身体的心理的健康、(ス)貨幣・資本主義・商品流通経済行動、(セ)環境配慮実践行動など。これらの変化を自然体験前後で比較し、因果関係を特定する研究を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尺度構成およびトキにかかわるプロジェクト参加児童や住民の調査を終え、分析中であるから、達成度としては7~8割程度であると考えられる。ただし。今後の推進方策でも述べるように調査対象を大分県九重・竹田地区だけでなく、福岡地区でも調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の実施とともに、どのような体験活動でどのように態度(効果)や行動が変化したかの測定・評価をしていく。独立変数として、以下の項目を考えており、上述の態度(効果)評価項目を媒介変数もしくは従属変数として、適宜事前事後調査を行い、加えてそれらの相互関係性について分析する。(ア)自然体験活動(自然学校・自然保護活動・農林水産業体験活動も含む)(イ)「トキゆめプロジェクト」活動(ウ)人間関係活動など。 したがって、仮説としては、上記の独立変数が自然観など態度(効果)へ影響を与え、さらにそれらを通じて環境配慮行動を規定していくという経路を考えている。そして、自己記述式尺度では測定できない表情・参加度・活動性・場面の感想などは研究補助者(環境教育同好会学生によるデータ入力・ビデオ起こしも兼ねる)がビデオに録画したり、直接インタビューしたりする。さらに、先の尺度を適宜成人用に改変して用いて定期的に縦断的に九重町民の意識調査を行い、時系列的・縦断的な意識・行動の変化を特定する。同時に、このようなプロジェクトを受け入れるような素地や心理的傾向が地域にあると仮定して、他地域と比較検討する。平成24年度の調査を同様に継続する。環境教育の効果を検討し、次なるプログラムを開発し、実施して対照条件と比較検討する。 平成24年度の調査を同様に継続する。さらに、前年度までの成果をふまえて、詳細な検討に移る。また、研究報告のまとめと発表・公刊にあてる。 さらに、研究計画には当初予定がなかったが、信頼性を考慮してデータ数を増やすために、調査対象を大分県九重・竹田地区だけでなく、大分県同様トキにかかわるプロジェクトを進めている福岡地区でも調査を行い、比較検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品・機材の追加45万円、謝金15万円、旅費40万円、その他45万円
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