2012 Fiscal Year Annual Research Report
科学的・合理的な学生相談手法を確立するための情報科学的研究
Project/Area Number |
23653186
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
犬塚 信博 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10221780)
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Keywords | 学生相談 / ネットワーク分析 / 人間関係 / 知識発見 |
Research Abstract |
学生相談の社会的・教育的観点での重要性に鑑み、学生相談の効果的実施方法を探り、そのための知見を引き出すための情報科学的手法の開発を進めてきた。代表者らは実践として、所属大学の学生相談などで利用する学生相談記録システムの構築をすでに手掛けている。23年度中、これらの経験を活かし、学生相談を扱うための要素技術を開発してきており、24年度はそのうえで、学生相談を分析・活用するための技術の開発と分析が課題であった。 23年度の知見に基づき、事例に現れる人物間のネットワークが相談の進行に応じて変化することに注目し、人物間の関係ネットワークの時系列を学生相談の骨格構造とすることを提案した。この構造を数学モデルとして、事例の分析法と操作法の構築を試みた。関係ネットワークを構成する関係として人物を特定させる客観的人間関係と心理的立場を扱う主観的関係を明確化した。特に主観的人間関係を定量的に扱うため、いくつかの属性を定めた。実際の事例に近い模擬的事例で試行的に適用を試み、属性の変化を定量的にすることで相談の進展、悪化が明確になることを示した。また、事例の基本操作として提案の構造によって事例と事例の間の類似度を測る計算方法を提案した。人物、関係、関係ネットワークの変化を対応付け、その対応の良さによってどれだけ近いかを与える方法である。 これらの成果を国際会議論文、国内への報告等にまとめている。成果を多くの状況に適用するなど、実際の分析に活かすには、手法の細緻な検証が必要である。
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Research Products
(5 results)