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2011 Fiscal Year Research-status Report

身体接触を含む母子相互作用のモーションキャプチャによるタウ解析

Research Project

Project/Area Number 23653193
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

根ケ山 光一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00112003)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河原 紀子  共立女子大学, 家政学部, 准教授 (90367087)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords母子コミュニケーション / モーションキャプチャ / タウ解析 / マルチモダリティ / 国際研究者交流 / 日英比較 / 身体接触
Research Abstract

本研究では,母子相互の身体の関係性に注目し,身体接触および分離から接触へ,接触から分離へのダイナミックな移行における母子相互作用の実態とその発達および文化差について検討し,あわせてこれらの触覚的相互作用の情報に,音声や視線などの情報を組み合わせて母子行動のマルチモダルな解析を行う方途を検討することによって,母子間の間身体的相互作用を包括的に捉える可能性を探ることを目的とした。特に,「抱き上げ・抱き下ろし」「食の供給」「くすぐり」の3場面を取り上げ,各場面の母子における接触・分離間の身体間距離変化をモーションキャプチャによって計測し,そこにタウ理論を適用してその時間構造を解析することが主たる課題であった。 23年度は,モーションキャプチャによるタウ解析の専門家であるDelafield-Butt博士を研究協力者としてサポートを頂きつつ,試行的にそれぞれの観察場面の設定・確認を日本(早稲田大学所沢キャンパス)と英国(Edinburgh大学)で行い,かつ試行的にデータ収集も行った。とくにカメラの位置とマーカーの装着位置,実験手順(抱き下ろし・抱き上げ,離乳食供給,くすぐりを含む身体接触遊び,声かけと振動を含む遊び)観察対象者の数(日英各最低10組),実験実施時期(5,6か月齢と8,9か月齢の2回)など研究の前提となる諸条件について検討を重ね,一定の合意を得た。 23年度は英国を中心としてデータをとる予定であったが,Delafield-Butt博士がStrathclyde大学に就職となり状況が変化したため,日本での実施を先行させることとなった。年度の終了時期は日本での母子リクルートに注力した。また,京大高田明准教授など国内研究者やCopenhagen大学Harder教授など海外研究者とも交流し情報交換や今後の共同研究の可能性の相談など行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の目的・計画に照らして,ほぼ順調に推移している。ただし,母子の実験を当初は英国中心でEdinburghにおいて行う予定であったが,英国側研究協力者であるDelafield-Butt博士が就職のため多忙をきわめ,また新任地の環境未整備等のため,まず日本でデータ収集を行うという点が変更点であった。 それ以外に,赤ん坊の行動が活発なためもあって,モーションキャプチャが必ずしも有効でない場面もあり,すべてをモーションキャプチャではなく一部ビデオによるキモグラフ分析も併用することにした点も改変点であった。 そのような変更はあるが,基本的に母子の相互作用を抱き・食・接触遊びから日英間で触覚・視覚・聴覚的にマルチモーダルに検討するという視点は堅持しており,その意味で順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後は,現在試行的に進めてきて方法論がほぼ定まったので,それをまず日本において,本格的に5,6か月,さらに8,9か月の2時期にわたって実験を行う。そしてその後渡欧し英国Glasgowで可能な範囲での実験を行う。23年度には旅費の使用を抑制したが,今年度は日本側研究者が日本から英国へ,また英国側研究協力者が英国から日本へ,それぞれ渡航することが予定されている。そして両国でデータがある程度収集された段階で、分析へと進みたい。 とくに,モーションキャプチャのタウ解析にキモグラフによる行動テンポの解析という視点を加味して,インタラクションの時系列構造を明らかにし,今後学会発表・論文発表へと繋げていきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上述の通り,23年度に試行的な研究で方法論を確定した実験を,24年度は本格的にまず日本で実施し,コミュニケーションの時系列構造における発達的変化や性差などについて、タウ解析・キモグラフ解析などで明らかにしていきたい。そしてその結果を踏まえて,英国での実験を行い,文化差について検討したい。そのために渡航費と研究協力謝礼の支出が必要である。またデータが出そろった段階では,分析のための謝金が必要となる。それらを研究代表者のこれまでの母子行動の日英比較研究における結果と対応させることで,日本と英国の子育ての異同についての定量的資料とする。成果報告や情報交換など学会参加のためにも旅費が必要となるであろう。

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 2011

All Journal Article (3 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 母乳から固形物へ:母子関係と味覚2011

    • Author(s)
      根ヶ山光一
    • Journal Title

      小児歯科臨床

      Volume: 17 Pages: 26-31

  • [Journal Article] 母子の身体接触を伴う遊びにおける動作と発話の時系列分析2011

    • Author(s)
      百瀬桂子・根ヶ山光一・石島このみ・菊池英明・誉田雅彰・市川熹
    • Journal Title

      電子情報通信学会技術研究報告

      Volume: 111 Pages: 3-7

  • [Journal Article] 母子のくすぐり遊びにおける行動のマイクロ分析2011

    • Author(s)
      石島このみ・根ヶ山光一・百瀬桂子
    • Journal Title

      電子情報通信学会技術研究報告

      Volume: 111 Pages: 9-14

  • [Presentation] 母子のくすぐりにおける乳児による意図の読み取り:視線による意図の読み取りが困難なくすぐりの場合2012

    • Author(s)
      石島このみ・根ヶ山光一
    • Organizer
      日本発達心理学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2012年3月
  • [Presentation] 日・仏・米における離乳の国際比較2012

    • Author(s)
      根ヶ山光一・則松宏子・M. Barratt・J.-F. Bouville
    • Organizer
      日本発達心理学会
    • Place of Presentation
      名古屋国際会議場
    • Year and Date
      2012年3月
  • [Book] 高石恭子編 「子別れのための子育て」2011

    • Author(s)
      根ヶ山光一
    • Total Pages
      275
    • Publisher
      平凡社

URL: 

Published: 2013-07-10  

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