2012 Fiscal Year Research-status Report
表情フィードバック仮説を応用した笑顔装着具による気分の落込みの改善効果の検証
Project/Area Number |
23653197
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
早川 東作 東京農工大学, 保健管理センター, 教授 (60272639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守 一雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157854)
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Keywords | 表情フィードバック仮説 / 笑顔 / 受動的表情 |
Research Abstract |
表情フィードバック仮説に基づいて、笑顔を作ることの臨床的な応用効果について実証的な研究を行うことを目的とした2種類の実験を計画した。具体的には、申請者ら(Mori & Mori, 2009)が考案し、健康な大学生を用いてその効果が検証済みの「スマイルエイド」(バンドエイドと輪ゴムを使って頬を引き上げる装着具)を、気分の落込みを訴える学生に対して用い、その効果を検証する実験と、比較対象のための一般学生に対する実験である。「スマイルエイド」による笑顔の効果の測定は、感情誤帰属手続き(Affection Misattribution Procedure: Payne, et al., 2005)を用いることとした。 大学の心理相談室に気分の落込みなどを主訴として来談した者の中に実験への参加協力を依頼した。気分の落込みを訴える学生に「スマイルエイド」を装着させ、装着時と非装着時での潜在感情反応を感情誤帰属手続きにより測定し、「スマイルエイド」の効果を測定する実験を個別に行った。また、申請者らが開発した潜在連想テストの一種であるFUMIEテストを用いたアセスメントも実施し、気分改善効果の時間的変化も測定した。統制条件として、一般学生についても同様の手続きによる潜在感情反応測定と心理アセスメントを行い、両者の比較検討を行うことした。臨床条件・統制条件とも80名ずつの被験者からのデータを取得する予定であったが、臨床条件の被験者はまだ充分な数が集まっていない。一方、統制条件の実験は順調に進み、データの収集を終了した。 平成24年11月には、統制条件での実験結果について日本精神衛生学会第28回大会(東京農工大学)でも口頭発表を行った。また、同研究成果は国際専門誌Perceptual and Motor Skills誌に投稿し、審査の結果、掲載が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画された2つの実験研究のうち、一方は被験者数が充分集まらず、やや停滞気味である。一方、統制条件の実験研究は計画以上に進行し、成果も得られて、国際誌への公刊に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者からの連絡を待つ現行のやり方から、積極的に被験者のところに出かけて行くなどの方策を取ることで。遅れている臨床条件の実験の実施に尽力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
生じた次年度使用額と合わせて、実験実施のための諸経費として使う。統制実験の実施に協力してくれた研究協力者と今後の研究成果公表についての打ち合わせのための国内旅費を使う。
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Research Products
(2 results)