2012 Fiscal Year Research-status Report
文化的・社会的要因がADHD傾向のある大学生の支援ニーズに及ぼす影響
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23653198
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 教授 (20291388)
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Keywords | 国際情報交換(アメリカ合衆国) / ADHD / 大学生 / ソーシャルサポート / ソーシャルスキル / 支援ニーズ |
Research Abstract |
大学における発達障害学生の支援は国際的に重要なテーマであり、我が国でも近年その取り組みが本格化しつつある。発達障害の中でも米国ではADHDが主要な支援対象となる一方、日本学生支援機構の報告に見られるように我が国では自閉症スペクトラム障害に関する報告が多い。申請者はこれまで、ADHD傾向自体には日米で差がないこと、日本においてはADHD傾向があっても支援を求めない場合が多いことを明らかにしてきた。今回、こうした日米間の違いの背景には、求められなくても先回りして他者を支援しようとする日本的な集団のあり方が関係しているのではないかとの仮説を立てた。本課題では、ADHD傾向と支援ニーズとの関係にソーシャル・サポートがどう関与しているかを、日本、米国、さらに第3の文化圏として中国も含めた比較を通して明らかにすることを目的とした。これまで、発達障害者への支援は認知機能との関わりで論じられることがほとんどであったが、文化的、社会的要因を考慮することの意義が実証されれば、支援のあり方にあらたな視点を加える必要性が求められるようになるはずである。平成24年度は、このような比較文化的研究がどの程度進んでいるかについて情報収集および意見交換をするために、7月に米国(ニューオーリンズ)で開催された高等教育と障害年次大会に参加した。また、日本における社会的スキルと注意機能の関連についてを日本LD学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集の準備を進めるために、マカオ大学のJohn Mark Davis博士にアメリカでのデータ収集協力者を決めるべく連絡を取っていたが、期間中に別の大学に移ることになり、研究を進めることが難しくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
Mark Davis博士がオーストラリアへの大学へ移ることに伴い、オーストラリアの大学生を対象としたデータ収集に切り替える方向で検討を進めている。平成25年度中にADHDチェックリスト、ADHD困り感質問紙、POMSを米国、オーストラリア、日本で実施し、ADHD的傾向とメンタルヘルスの関係の仕方の国際比較を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は研究協力者が職場を移ったことに伴い、購入予定だった心理検査用紙を購入するに至らなかった。そこで、平成25年度は、早い段階で心理検査用紙(日本語版、英語版)の購入を進める。結果についての検討を進めるため、オーストラリアで会議を行う。また、これまでの成果をオーストリア、インスブルックで開催される国際高等教育と障害会議に参加する。
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