2011 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ病の母親と乳児の相互作用-近赤外線分光法による新しい試み
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23653199
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 一史 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
野邑 健二 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 特任准教授 (50345899)
吉川 徹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70456680)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 母子相互作用 / 近赤外線分光法 |
Research Abstract |
平成23年度は,対象者のリクルートと測定を開始した.1歳半の乳幼児を持つ母親とその乳幼児8組について,測定を行った.母親の抑うつ感情を測定するために、エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburg Postnatal Depression Scale: EPDS)を使用した。脳機能の測定するために,近赤外線分光法(Near infrared spectroscopy: NIRS)を用いた。これにより、乳幼児であっても、母親の働きかけに対する乳児の反応パターンに違いがあるのかを、脳血流量の変化の視点から検討することができる。乳幼児には、日立メディコ社製のETG-4000を、母親には浜松ホトニクス社製のNIRO-200を使用した。両機種ともに、脳血液中の酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビン・総ベモグロビンを、それぞれ別々に測定することが出来る。 ETG-4000では、695nmと830nmの2波長を使用した。NIRO-200では、775nm・810nm・850nmの3波長を使用した。ETG-4000は、乳児用プローブの24チャンネルを使用した。母親に使用したNIRO-200は2チャンネルで使用した。両機器共に、額の前頭部に装着した。 解析の結果,抑うつ得点の高かった母親については、相互作用の前後において、ヘモグロビンの濃度変化に大きな違いは認められなかった。一方、抑うつ得点の低かった母子については、母子の間でやや異なった変化のパターンが見られた。つまり、母親においては、相互作用開始直後は、開始直前に比べて大きくヘモグロビンの濃度が上がっている様子が捉えられた。子どもにおいては、相互作用開始後は、相互作用の開始前に比べて、周期的に変化している様子が捉えられた。現在も,結果を解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生後3ヵ月と8ヵ月の乳児を対象に加え,さらに多くの研究協力者を募る必要が有るため.
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Strategy for Future Research Activity |
ホームページ等で,積極的に広報を行い,研究協力者を募る.また,保健センターや保健所で実施している親子教室に出向き,直接研究の紹介を行い,研究協力者を募る.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在の所,大きな変更は予定されていない.
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Research Products
(1 results)