2011 Fiscal Year Research-status Report
玩具療法の作用メカニズムを探る‐生体リズムを切り口として‐
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23653202
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 忠雄 広島大学, 総合科学研究科, 名誉教授 (10020132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 一彦 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 玩具療法 / 睡眠覚醒リズム / 高齢者 / QOL |
Research Abstract |
時間機能を持つ玩具の有無が独り暮らしの高齢者の「生活リズム(睡眠覚醒リズム)」や「QOL(生活の質)」に及ぼす影響について検討することを目的として介入試験を実施した。平成23年度に実施した介入試験の対象者は、5名の高齢女性(平均年齢77歳, 70-83歳)で、合計1週間のベースライン記録と介入試験を行った。睡眠の健康度を調べるためピッツバーグ睡眠調査票(PSQI)を介入前に施行した。また、1)ベースライン記録前と2)ベースライン記録後介入試験前、3)介入試験後の3時点で睡眠生活習慣質問紙(LHI)、エップワース眠気尺度(ESS)、一般健康調査票(GHQ)を施行した。また、3日間のベースライン記録期間と4日間の介入試験期間中は、対象者の活動量を活動量の連続記録装置(Actiwatch®)を用いて記録した。活動量のパターンについての分析を行った結果では、ベースラインと介入試験中に顕著な差は認められないが、就床時刻がやや前進する傾向と、午前中の活動量が増加し、夕方から就床前にかけての活動量が低下する傾向が認められた。PSQI, LHI, ESS, GHQなどの質問紙データについては、現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
独り暮らしで、QOLが極端に低下しておらず、研究目的や研究手続きの理解が可能で、かつQOLが良好過ぎて、これ以上変化が見込めない(天井効果)ということのない高齢者という対象者の条件を満たす被験者を見つける事が当初の見込みよりもかなり難しく、被験者の人数を十分に確保できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、平成23年度に行った研究手続きを継続し、なるべく多くの被験者のデータを獲得する事を目指す。今年度の計画が遅れて被験者数が少なかったことが最大の問題点であるが、現在の少人数のデータでも就床時刻の前進傾向や夕方から就床時刻までの活動量パターンが入眠に適切な方向へと変化している傾向が認められることから、現在の研究活動を地道に継続して被験者数を可能な限り増加して行くことで当初予定していた研究成果を上げることは十分に可能であると考えられる。特に被験者を増やすために活動量記録装置の台数を増やして同時に多くの被験者のデータを記録できるようにしたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年には、平成23年度で行った介入試験を継続して、なるべく多くの被験者のデータを収集できるように努力する。上記でも述べたが、なるべく多くの被験者のデータを同時記録できるように、活動量記録装置の台数を増加するために追加購入を行う。
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