2013 Fiscal Year Annual Research Report
玩具療法の作用メカニズムを探る‐生体リズムを切り口として‐
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23653202
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀 忠雄 広島大学, 総合科学研究科, 名誉教授 (10020132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 一彦 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)
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Keywords | 玩具療法 / 睡眠覚醒リズム / 高齢者 / QOL |
Research Abstract |
時間機能を持つ玩具の有無が独り暮らしの高齢者の「生活リズム(睡眠覚醒リズム)」や「QOL(生活の質)」に及ぼす影響について検討することを目的として介入試験を実施した。 平成25年度までに実施した介入試験の対象者は18名の高齢女性で、合計1週間のベースライン記録と介入試験を行った。睡眠の健康度を調べるためピッツバーグ睡眠調査票(PSQI)を介入前に施行した。また、1)ベースライン記録前と2)ベースライン記録後介入試験前、3)介入試験後の3時点で睡眠生活習慣質問紙(LHI)、エップワース眠気尺度(ESS)、一般健康調査票(GHQ)を施行した。また、3日間のベースライン記録期間と4日間の介入試験期間中は、対象者の活動量を活動量の連続記録装置(Actiwatch)を用いて記録した。 活動量のパターンについての分析を行った結果では、ベースラインと介入試験中に顕著な差は認められないが、就床時刻がやや前進する傾向と、午前中の活動量が増加し、夕方から就床前にかけての活動量が低下する傾向、さらに就寝中、明け方の活動量の低下する傾向が認められた。就床時刻の前進は、睡眠覚醒リズムの後退の防止に役立ち、午前中の活動量が増加し、夕方から就床前にかけての活動量が低下する傾向も睡眠覚醒リズムの前進が起きたことを示唆していると考えられた。また、就寝中の活動量の低下は、明け方の中途覚醒の低下を反映しているとも解釈できた。 以上から、睡眠覚醒リズムの後退や覚醒状態の健全化や睡眠の持続性の向上など、睡眠覚醒リズムのメリハリの正常化が生じたと考えられ、時間機能を持つ玩具の導入が、一人暮らしの高齢者の生活リズムの向上に資する可能性を明らかに出来たと考えられる。
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