2011 Fiscal Year Research-status Report
故人との絆に地域風土が及ぼす影響:地域に根ざしたグリーフカウンセリングに向けて
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23653207
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
山中 亮 北海学園大学, 経営学部, 教授 (20337207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 恭子 弘前大学, 教育学部, 准教授 (80361004)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 社会系心理学 / 臨床 / グリーフ / 地域風土 |
Research Abstract |
今年度の研究の目的は,地域風土の特徴が故人との絆のあり方にどのように関わっているのかを明らかにすることであった。具体的には,北海道と津軽の地域風土の特徴を把握するために,以下のようなフィールド調査及び面接調査を実施した。1.フィールド調査 北海道の霊園および津軽の霊場(川倉賽の河原地蔵尊)へ実際に出向き,故人との絆のあり方を考えるのに重要な資料を収集した。北海道と津軽地方において,そうした代々活用されている霊園や霊場に,故人との絆のあり方の違いをうかがわせる地域風土の特徴があることが推察された。なおこの資料に基づいた内容については,平成23年10月に開催された北東北・北海道フィールドワーク社会心理学研究会において発表した。2.面接調査 津軽地方出身の学部学生12名及び北海道出身の学部学生14名を対象に,死に対する儀式,死・死別に対する態度に関して半構造化面接を実施した。この調査から大きく次の2点が示唆された。(1)津軽地方は北海道に比べて自宅に仏壇がある割合やお参りする割合が高く,祖霊崇拝の風土が比較的強く残っていることが示唆された。(2)死ぬと存在はなくなると報告する者が津軽・北海道とほぼ同じ割合いるにもかかわらず,故人・先祖に「見守ってほしい」と思っている割合が津軽地方の学生で高くなっており,故人との絆が北海道よりも強くあることが示唆された。この成果の一部については,平成24年度の日本心理臨床学会31回秋季大会などで発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた平成23年度の研究目的については,半構造化面接の手法を用いた調査を実施し,ある程度の研究成果が得られていることから,おおむね順調に進展していると考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究活動は,昨年度の研究成果を公表することと,その成果を踏まえて新たに,地域風土の特徴が故人との絆の変容過程にどのように関わっているのか半構造化面接を用いて検討する調査を実施することである。具体的には以下の研究活動を行う。 1.昨年度実施した研究の成果について日本心理臨床学会31回秋季大会などで発表する予定である。また,発表成果に基づいて論文執筆を行う(英文校閲料,雑誌投稿料)。 2.津軽地方および北海道出身の死別体験のある学部学生のうち,研究協力に同意した者数名を対象とした半構造化面接を実施して,各個人の文化的背景を踏まえた上で,特定の故人との関係について生前から死別後,現在に至る時系列的な変容について詳細に聞き取りを行う。平成24年度中にデータ収集及び分析を終了し,平成25年度開催の心理臨床学会またはヨーロッパ心理学会で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.物品費:調査の実施,データの整理,分析,結果のまとめ,学会発表,論文執筆,論文執筆のための文献研究,投稿などに必要な文房具やPC関連消耗品などを中心に使用する。2.旅費:日本心理臨床学会発表(愛知県),東北心理学会発表(新潟県),および資料収集のための旅費として使用する。3.その他:投稿料が必要な学会誌に論文を投稿する場合に使用する。
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Research Products
(1 results)