2012 Fiscal Year Research-status Report
故人との絆に地域風土が及ぼす影響:地域に根ざしたグリーフカウンセリングに向けて
Project/Area Number |
23653207
|
Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
山中 亮 北海学園大学, 経営学部, 教授 (20337207)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 恭子 弘前大学, 教育学部, 准教授 (80361004)
|
Keywords | 社会系心理学 / 臨床 / グリーフ / 地域風土 |
Research Abstract |
今年度の研究活動は,平成23年度に実施した調査結果について新たな分析を行い,以下に示した研究成果について公表した。 1.平成24年7月に開催された第66回東北心理学会において「大学生の死後観に関する一考察-他者の死と自己の死との違いを中心に-」というタイトルで発表した。平成23年度に実施した面接調査結果に基づいて他者の死と自己の死の捉え方を比較したところ,死後どのような存在となるかの捉え方について大きな違いがみられた。この点について報告した。 2.平成24年7月に開催されたアジアンヒューマンサービス学会において「The features of undergraduates’ narratives about “Continuing Bonds”」というタイトルで発表した。平成23年度に実施した面接調査から明らかとなった津軽地方の大学生と北海道地方の大学生の「故人との絆」に対する捉え方の類似点と相違点について,質的データの分析を基に報告した。 3.日本心理臨床学会31回大会秋季大会において「故人との絆に地域風土が及ぼす影響 (1)-津軽地方と北海道の大学生を対象とした予備的検討-」というタイトルで発表した。平成23年度に実施した面接調査から明らかとなった津軽地方の大学生と北海道地方の大学生の「故人との絆」に対する捉え方の違いについて,量的データの分析を基に報告した。 なお,今年度の研究活動として計画していた死別体験のある学生を対象に,故人との関係の変容プロセスの解明を目的とした半構造化面接の実施については,対象者が集まらなかったため,次年度改めて協力者を募って実施することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の当初計画されていた死別体験のある学生を対象とした新たな調査については平成24年度中に実施することができなかったものの, 研究成果の公表については,前年度の面接調査結果において興味深い知見が多く得られたことから,当初計画していた学会だけでなくさらに別の学会においても報告することができたため,おおむね順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究活動は,地域風土の特徴が故人との絆の変容過程にどのようにかかわっているのかを半構造化面接を用いて検討する調査を実施することである。具体的には以下の研究活動を行う。 1.津軽地方および北海道出身の死別体験のある学部学生のうち,研究協力に同意した者数名を対象とした半構造化面接を実施して,各協力者の文化的背景を踏まえた上で,特定の故人との関係について生前から死別後,現在に至る時系列的な変容について詳細に聞き取りを行う。 2.平成24年度に研究成果として学会発表を行った内容について,新たな資料収集も踏まえて再検討したうえで論文執筆を行う(英文校閲料,雑誌投稿料)。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.物品費:論文執筆のために必要な文房具やPC関連証文品などを中心に使用する。 2.旅費:資料収集が必要な場合にその旅費として使用する。 3.その他:投稿料が必要な学会誌に論文を投稿する場合に使用する。
|