2013 Fiscal Year Annual Research Report
最新コミュニーション技術の生理心理学 -これ以上、誤った判決をださないために-
Project/Area Number |
23653214
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
中山 誠 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (60554988)
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Keywords | 真偽判断 / SCR / 他者評価 / 心拍率 |
Research Abstract |
最終年度は以下の二つの実験を行った。 命題の真偽判断におよぼす虚偽返答の効果:文の真偽判断課題における虚偽返答の効果 研究計画のステージ1にあげた研究である。犯罪者がアリバイを尋ねられた時、実際に自分がいた場所(犯行場所)を答えると疑われてしまうので、別の都市名にリプレースして答えることが多い。一方、真犯人ではなく、事件に関与しない無実の人間であれば、当該犯罪の発生した時刻にいた場所について、心に浮かんだ場所をそのまま答えればよく、別の都市名に置き換える必要はない。この差が虚偽検出課題で生理反応に反映されるのではないかと考え、命題の真偽判断課題を用いて、置き換えの効果を検討したところ、虚偽返答では有意に反応時間が長くなる事が確かめられたが、課題が複雑であるためか生理反応のは差は認められなかった。 スピーチ後の肯定的・否定的評価が心拍率におよぼす効果:研究計画のステージ3にあげた研究である。実験参加者は被聴取者、実験者が聴取者となり、両者の生理指標を同時測定しながら、インタビュー調査をおこなう。実験条件として、被聴取者の答えに対して同調的態度(同意する、軽く驚いて興味を示す、ほめる、おだてる)と、否定的態度(怪訝な表情、タイミングの悪いうなづき、反対意見を述べる)で受け答えをおこない、コミュニケーションの成立の度合いが生理反応にどのような影響をおよぼすかという点を検討した。その結果、実験者による肯定・否定の評価は生理反応い直接的な差異をもたらさないが、実験参加者が述べた意見の確信度が心拍率に高低を決めることが判明した。すなわち、社会的に容認されている意見に同調する考えを述べる場合は,自信の度合いが大きいために,心拍率の上昇が抑えられるが、社会的に容認されていない意見にそった考えを述べる際にはストレスにより心拍率が有意に上昇した。
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