2011 Fiscal Year Research-status Report
マウス超音波歌をモデルとした発声時系列制御の機構解明
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23653220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡ノ谷 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30211121)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | マウス / 超音波発声 / 国際研究者交流 / 米国 / 台湾 / 遺伝子改変 / 動機づけ / 学習 |
Research Abstract |
遺伝子改変マウスの歌と聴覚 カドヘリン6ノックアウトマウス(Cad6KO)を入手し、その発声の特徴と聴覚特性を調べた。Ca6KOマウスの求愛歌は、野生型マウスに比べて有意に高いピッチであった。この成果はすでに投稿され、修正受理を待つ状況である。また、聴覚障害をもつマウスで発声のピッチが高くなる知見があるため、Cad6KOマウスでも聴覚障害が疑われる。そこで、脳幹聴性誘発電位を測定することで、Cad6KOマウスの聴覚特性を検討する必要がある。現在までのところ、Cad6KOマウスが野生型マウスと同様な聴覚特性を持つことを示唆するデータが得られている。辺縁系の損傷によるマウスの歌の変成 野生型B6マウスのオスを用いて、扁桃体損傷の影響を調べた。扁桃体損傷のマウスがうたう求愛歌は、統制群に比べて、短い歌要素が多く、長い歌要素が消失していた。マウスの求愛行動を観察すると、損傷群ではマウントに至る率が少なかった。このことは、長い歌要素の消失は、扁桃体の損傷による直接的な影響であるか、または、性行動の動機づけの減少による可能性を示唆する。この結果はすでにNeuroReport誌に投稿され、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの歌と聴覚 遺伝子改変マウスの収集について、これらを導入するための手続きに時間がかかり、あらたな動物を収集することができなかったが、年度終盤に許可がおりた。そこで、すでに手元にいたCad6KOマウスを用いた研究に専念し、聴性誘発電位を計測する技術を確立し、研究を進めている。今後はその他のKOマウスも導入し、歌と聴覚の研究を進める予定である。脳損傷によるマウスの歌の変成 すでに辺縁系損傷例について論文をまとめ受理されている。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子改変マウスの歌と聴覚 その他のKOマウスも導入し、歌と聴覚の研究を進める。聴性誘発電位の測定技術を洗練させ、研究の効率化をはかる。脳損傷によるマウスの歌の変成 大脳基底核、前帯状皮質の損傷を検討する。また、扁桃核の損傷により生じた歌の変成が、動機づけによるのか、歌の運動パターンによるのかを明らかにするため、メスマウスを麻酔してオスに提示し、マウント行動が誘発された場合に、歌の長い成分が観察されるかどうかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究推進のため、大学院生を研究補助に雇用する。研究成果発表および研究技術交流のため、海外出張を行う。また、作業効率を上げるため、超音波発声録音用のシステムを拡張する。
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Research Products
(1 results)