2013 Fiscal Year Annual Research Report
東洋の伝統をいかした〈生の技法〉の学習と教育に関する比較研究-「食」を手始めに-
Project/Area Number |
23653245
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
岡部 美香 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (80294776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 晶子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10231375)
池田 華子 天理大学, 人間学部, 講師 (20610174)
森 みどり (高松 みどり) 滋賀短期大学, その他部局等, 准教授 (20626478)
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Keywords | 教育メディア / 生の技法 / 実践知 / 世代継承 / 東洋の伝統 / 教育史 / 教育思想史 / 日韓比較 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人間的・社会的な生活を送るのに必要な実践知である〈生の技法〉を習得するための学習と教育について、その過程と構造を解明し、東洋の伝統をいかした学習論・教育論のフレームワークを創成することにある。 研究期間の最終年度である25年度は、まず、初年度(23年度)の文献講読を中心とする調査、次年度(24年度)のフィールドワークを中心とする調査を通して導出された結果を総括し、研究成果をまとめた。主な研究成果としては、次の3点が明らかになった。①〈生の技法〉の学習と教育に際して、東洋の伝統においては、ことば・文字のみならず、それら以外のモノ、例えば音律、色、形、空間構成など多様なメディアが駆使されている。②ことば・文字以外のモノであるメディアは、モノ自体では機能せず、先行世代の身体の動きと連動して提示されることによって初めて教育的機能を発揮する。③身体の動きと連動して提示されるメディアは、先行世代にとっては、自分の意図を後続世代に伝達し、後続世代の身体の活動を規制するという機能を果たすが、他方で後続世代に対しては、言語による思考への規制をあまり伴わないことによって、文化内容の意味解釈の自由と自律を保証するという機能を果たす。 以上の成果を、韓国教育思想史研究会の夏季大会と年次大会で、また日本においては教育思想史学会で口頭発表した。教育思想史学会においては、韓国における研究協力者である釜山大学の安京植教授・朴宰永研究員を招聘し、〈生の技法〉の学習と教育のメディアに関する国際比較をディスカッションの柱にした。これらの口頭発表およびディスカッションを論文としてまとめ、その論文をそれぞれの学会機関誌に投稿し、掲載ないしは掲載が予定されている。
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