2013 Fiscal Year Annual Research Report
学校-保護者間のトラブル解決をめざす対応力育成ワークショップのプログラム開発
Project/Area Number |
23653246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野田 正利 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60169349)
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Keywords | 保護者対応 / エコロジカルマップ / ワークショップ / 学校トラブル / クレーム対応 / 保護者との連携 |
Research Abstract |
1.保護者や地域住民から学校に寄せられる要望や苦情は増加の一途をたどり、時にはその中に対応が困難となり、教育活動に支障を生じるような事案も少なくなく、対応が長引くと、それらは紛争状態に発展する。本研究はこういった現代の学校が抱える対保護者トラブルによる困難化を、できるだけ小さくしたり、解決の方向性をさぐるために、学校組織としての教職員の力量形成をはぐくむ研修のワークショップを構築することを目的としている。 2.研究代表者が監修者となって、学校現場での活用が可能なように制作したDVD教材は『教員のための保護者対応力向上シリーズ』(日本経済新聞出版社、2012年、全6巻)である。基本編のほか、幼・保育園編、小学校編、中学校編、高等学校編、そして対応がきわめて難しくなる編の6本であり、いずれも解説書付きで録画時間は25分前後と、校内研修をはじめとする多様な場面での教職員研修で活用することが容易となっている。特に映像の途中でストップモーションをかけてシンキングタイムを設ける形をとり、集団での討議により研修の効果を高める工夫を凝らしている。 3.今年度は、この6本のDVD教材の中から、特に第6巻「対応の難しいケース編」を活用し、トラブル解決の糸口が見出しにくくなる事例を、エコロジカル・マップ(人的社会的環境の見取り図)を描きながら、見立て(アセスメント)と方策の立て方(プランニング)を学ぶ研修の機会を、全国の約20か所でおこなってきた。 4.その際に、このDVDの内容に対する評価、およびこのようなワークショップによる研修効果についてのアンケート調査を重ねたが、研修参加者からは「大いに参考となった」「自分の学校ですぐにでも取り入れたい」などといった、きわめて高い評価を得ることができた。本研究を通して作成した研修プログラムは、高い効果を持つことが証明されつつある。
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Research Products
(7 results)