2012 Fiscal Year Research-status Report
教員のストレスとキャリア発達に対するコンサルテーションシステムの開発
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23653249
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 健太郎 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (70389229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 佳子 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30404049)
大場 信恵 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (00403931)
生田 淳一 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (70412450)
友清 由希子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20363294)
黒川 光流 富山大学, 人文学部, 准教授 (40325543)
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Keywords | ストレス / キャリア発達 / コンサルテーション |
Research Abstract |
24年度は、23年度にサンプル校で行った質問紙調査の精緻化をおこなった。また、事例校3校に質問紙調査と校長・教職員の面接調査を行い、学校で困っていること、臨床心理士や大学教員にどのようなことを求めているのかのニーズ調査も行った。その際に、初任者は、授業方法や保護者の対応の仕方・懇談会の進め方など、具体的な教員としてのスキル取得が課題であることが明らかになった。10年以上のベテラン教師では、今まで身につけてきた授業スキルや学級経営スキルが通用しなくなってきていること、保護者の対応に困っていることが語られた。主幹教諭は、教務主任として、先生達のモチベーションアップと学力の向上に課題を持ち、また、中間管理職として、校長・教頭と教員の狭間で悩みを抱えていることが明らかになった。 事例校3校では、教職員研修会を年に3回行うと共に、校長・教務主任のコンサルテーションをおこなった。学校経営とメンタル面で課題を抱える教員へのサポート、いじめの対応について、継続的なコンサルテーション及び支援を行った。 海外では、フィンランドのオウル市の総合学校(小・中学校)でフィールドワークを行い、教師の授業力・教師の課題、管理職の役割と教員との関係、教員の一日の行動についての調査を行った。制度的に教育にかける人的・経済的支援が大きく、日本と異なることが明らかになった。また、スイスの日本人学校での調査も行ったが、現在の日本以上に、日本の学校教育・教職員の関係のよさが、児童生徒の成長に繋がっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事例校のフィールドワーク、コンサルテーションは進んでいるが、教員のキャリア発達の質問紙調査が質問紙を精査し、パイロットモデルで行った学校調査の分析が遅れており、質問紙作成が遅れている。共同研究者が調査している学校の調査結果と、過去に行った質問紙調査の再分析を通して、質問紙調査の作成が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であるため、質問紙を作成後、小学校・学校で質問紙調査を行い、フィールドワークなど、質的調査で得た学校の課題と質問紙調査で得られた結果を基に、教員の自己診断ツールを開発するとともに、研修会の方法とコンサルテーションの方法のモデルの提案を行うことを目標とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙の印刷代・データ入力代・自己診断ツール開発代、学会発表の旅費、研究会議の旅費に充てる予定である。
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