2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23653255
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
木村 龍平 帝京科学大学, こども学部, 教授 (80161587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 敏夫 帝京科学大学, こども学部, 教授 (30229140)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 保育者養成 / 食農教育 / 食農保育 / 食育 / 野菜栽培 / 意識調査 |
Research Abstract |
研究着手に当たり、研究代表者所属学科(こども学科)在学中の全学年学生に対して食に対する意識調査を行った。その結果、1年次生は一部、食生活の乱れが推測される事項が認められたが、学年が進むにしたがい専門科目で、食に関する知識を順次学習すること、当学科独自に学内農園で農作業に従事させてきたことで、保育者として食に対する意識が高まっていることが明らかとなった。 次に1年次生履修科目の「フレッシュセミナー」でジャガイモ栽培・収穫、同「こども文化教育演習」でカボチャ、スイカ、蕎麦、麦の栽培を実施した。大型の作物や収量のある作物の収穫体験を与え、野菜栽培と収穫の喜びを実体験させた。 講義での食育教育は、各科目に配分する授業内容・計画を案出中である。次年度には実行可能となる見込みである。 食農保育実践活動については、研究代表者が勤務する大学所在地市立保育所で夏から秋にかけて収穫可能な品種の野菜栽培を行うと同時に、4年次生が卒業研究の一環として独自に作成したマルチメディア教材を用いた野菜についての学習(主に5歳児対象)、及び実践活動を6-8月にかけて3回試行(ヨモギパン・カレーライス・野菜サンドイッチ)した。ヨモギは近隣の野原で採取し、児の散歩時に観察させて意識を高めた。カレーライスは使用する野菜に対する20分程度の簡単な説明を行い、サンドイッチは一部園庭で栽培し収穫した夏野菜を用いた。児も調理に携わり昼食に供した。各家庭へのアンケートでは本研究(実践活動)への期待が多く寄せられた。 以上のように1年次生から学年進行で本研究の取り組み効果を順次検証していくには最短で4年間を要するため、初年度は適宜どの学年であっても順次本研究目的を踏まえた授業内容・活動の導入を図った。高学年生は本研究に対する参画が限られるが、学年間の差分を考察すれば本研究の教育効果検証は充分可能と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究着手初年度として、全学年を対象とした食に対する単年度毎の意識調査は予定通り完了(達成度100%)したので、今後、毎年度繰り返し行い意識の変化を追っていきたい。 野菜栽培に対する学生の農作業従事状況に関しては、初年度は種まき、苗の植え付け、栽培中の生育状況の観察(1回)、収穫作業という重要なポイントでの部分的な参加にとどまり、日頃の手入れ(除草、追肥、脇芽の管理、病害虫の発生状況の監視)、事前(農耕地の整備;土作り他)・事後(伐採物の焼却や農耕地整備)には従事していないため、正課の中での対応を順次拡充していく(達成度40%)。学外実習に多くの時間が必要な2年次生、3年次生前期までの対応をどうするか今後、関係教員と協議する必要がある。また学内農園は一部整備が必要であるが本研究に供するための初年度整備状況は50%である。 食農保育実践活動については、4月より計画案出に着手し、夏期(8月)まで切れ目無く実施できたが、秋・冬期については夏期までの実践活動準備と実施に追われ、秋冬野菜の作付けに着手できなかったため、次年度以降の活動の通年化を図る(達成度50%)。
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Strategy for Future Research Activity |
最も重点を置くのは講義における食育教育の実施である。各学年で計3科目程度2-3コマの時間を確保して食育の講義・演習を行い事後にアンケート調査を実施する。各科目担当教員との綿密な協議が必要である。 野菜栽培の農作業従事作業量を増加する。学内農園の整備が23年度内に完了したため、より多くの者がより広い耕作地を使用可能となったため、本研究が想定している様々な品種の栽培が可能となった。なお従来からの食農教育に対する学科独自の取り組みもあり、意識の高い学生が正課内での取り組みとは別に畑作を希望する者が現れてきたため、このような学生を対象とした本研究の目的に添った有効なプログラムの考案・実施も予定する。 食農保育実践活動について:研究代表者研究室へ24年度配属済みの学生数が増加し、全員が畑作を活用した食育に関する研究のテーマ設定を希望した。これを受けて初年度の反省も踏まえ通年を通した実践活動が実施できるよう計画を立案し実行する。また各自が学内農園で畑作を並行して行う。この者達については卒後の職場で食農保育実施の可否についてどの程度の意識を持つようになるかを24年度前半と年度末にアンケート調査を行い考察を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
野菜苗や種子、肥料、トンネル・マルチ資機材(各種シート・留め具等)、農薬の他に、農具(鍬・鍬)や作業着(長靴・軍手など含む)等を必要数を購入する。食農保育実践活動については初年度に一部食器(大皿)を購入したが種類(小皿・カップ等)・数量を充足するために追加で購入する。さらに耕耘機用燃料および畝作成用の耕耘機取り付け機器、授業や実践活動の様子を撮影記録するためのメディア各種(BD-R、DVテープ他)を購入予定である。
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