2011 Fiscal Year Research-status Report
コスミック教育の今日的意義と幼稚園・小学校・家庭及び教員養成機関における展開
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23653257
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
福原 史子 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 講師 (70545988)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | コスミック教育 / モンテッソーリ教育 / キャリア教育 / ESD / 幼児教育 / 家庭教育 / 国際情報交流 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
モンテッソーリ教育におけるコスミック教育に焦点を当てて、研究の第一人者であるTrudeau,C.M.の業績と環太平洋地域のMontessori Schoolにおける実践に関する調査を通して、本教育の今日的意義を探ることを目的とした3年間の研究の初年度である本年度は、次の3点について研究を進展させることができた。 1. モンテッソーリのコスミック教育に関する理論研究:国内外の文献資料をもとに考察した結果、「宇宙全体には統一的計画が存在しており、生物の多様な形態の存在のみならず、地球そのものの発展進化もそれに依存していることを学習し認識する」コスミック教育の理念は、キャリア教育やESD(持続可能な社会のための教育)の理念ともつながり、本教育には今日的意義があることを導くことができた。 2. Trudeau,C.M.の業績に関する研究:日本とアメリカにおけるTrudeauの論文や講習・講演資料をもとに考察した結果、「創造のおはなし」を通したコスミック教育は幼稚園の年長児から可能で、協同的な学習活動にもつながることが明らかとなった。さらに平成24年3月にサンフランシスコで開催されたAmerican Montessori Society 2012 Annual Conferenceに出席し研究発表を行うとともに、本教育に先進的に取り組んでいるアメリカでの実践例や研究成果について広く知見を得ることができた。加えて、オークランドに住むTrudeauを本学元教授の奥山氏と共に訪ねインタビューを実施し、Trudeauのコスミック教育観を知るとともに本教育に関する情報収集ができた。 3.幼稚園におけるコスミック教育の実践研究:本学附属幼稚園の蜂谷・岡本両氏の協力を得て、平成24年2月下旬から3月上旬までの間の7日を選び、「創造のおはなし」をもとにしたコスミック教育の実践に至ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では4つの目的を設定しており、それぞれの達成度とその理由については以下の通りである。 1. コスミック教育に関する文献研究とTrudeauについての資料分析及びインタビューについて:American Montessori Society 2012 Annual Conferenceに出席し情報収集をするとともに、Trudeauを訪ねインタビュー調査を実施することができた。その際コスミック教育に関する研究発表に至れたこと、及び理論研究についても研究発表に至れた点から当初の計画以上に進展しているといえる。 2. 日本のモンテッソーリ園におけるアンケート調査について:本年度は目的1・3を中心に研究を進めたため、アンケート調査に及ばず、実施できていないので、この点については遅れている。 3. コスミック教育の実践研究:研究協力者の協力を得て、幼稚園においてコスミック教育を実践することができ、考察も順調に進んでいることから、この点は当初の計画以上に進展しているといえる。小学校及び家庭での実践については可能性を模索中であるが、当初の予定通り2年目以降の課題である。 4. 大学におけるコスミック教育及びキャリア教育の視点から、次代の社会人・親・教師を育成する教育方法の開発について:文献研究に留まっているが、この点も当初の予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
1. コスミック教育に関する文献研究とTrudeauについての資料分析及びインタビューについて:American Montessori Society 2012 Annual Conferenceに出席し情報収集をするとともに、Trudeauを訪ねインタビュー調査を実施することができたことを受け、データから得られた結果を考察し、研究成果として発表する。 2. 日本のモンテッソーリ園におけるアンケート調査について:アンケートを作成し、平成24年8月に開かれる日本モンテッソーリ協会(学会)全国大会において配布・回収する計画である。また、得られたデータを統計処理し考察する。 3. コスミック教育の実践研究:研究協力者の協力を得て、幼稚園においてコスミック教育を実践することができたことを受け、実践の考察を通して課題を分析し、さらに実践を続け、教材開発へと進展させる。小学校及び家庭での実践については可能性を模索中であるが、24年度は具体的な実践プランを練るとともに、実践の場を追究する。 4. 大学におけるコスミック教育及びキャリア教育の視点から、次代の社会人・親・教師を育成する教育方法の開発について:担当する「モンテッソーリ教育理論」「モンテッソーリ教育実習I・II」の授業において、「科目のねらい」と「コスミック教育」「キャリア教育」との整合性を理論面から検討し、実践を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への繰越が99,503円あり、これはモンテッソーリ園へのアンケート調査の実施に至らなかったことによるものである。次年度において統計ソフト(SPSS)の購入に充てる。本額を含めて次年度の研究費(直接経費)799,503円の使用計画は以下の通りである。 1. 物品費 199,503円: 調査結果の統計処理のため統計ソフト(SPSS)を購入する。また、アンケート用紙、コスミック教育の教材製作、研究論文別刷の費用として使用する。 2. 旅費 500,000円:調査研究及び成果発表のための旅費として使用する。日本保育学会(5月・東京)、日本モンテッソーリ協会(学会)全国大会(8月・愛知)、American Montessori Society 2013 Annual Conference(3月・フロリダ)、及び広島・徳島のモンテッソーリ園での実践の調査を計画している。 3. 人件費・謝金等 50,000円:専門知識の提供及び資料提供・閲覧の謝金として使用する。 4. その他 50,000円:アンケート調査実施のための印刷費及び配布・回収の通信費として使用する。
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Research Products
(4 results)