2011 Fiscal Year Research-status Report
離職者を対象とした介護福祉士養成教育における成人学生の学びの構造
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23653271
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
宮上 多加子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90259656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 眞希 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (60368850)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 介護福祉士 / 養成教育 / 離職者 / 成人教育 / 質的分析 |
Research Abstract |
本研究では、離職者に対する介護人材養成事業を活用して介護福祉士養成施設に入学した成人学生が体験した学習経験を構造化し、介護の概念及び職務意識の変容過程を明らかにすることと、成人学生の増加が教育現場に与えた影響及び成人学生に対する学習支援上の課題を明らかにすることを研究目的としている。この目的を達成するために、平成23年度は以下の二つの研究課題を設定した。(1)離職者に対する介護人材養成事業を活用し、介護福祉士養成施設に入学した成人学生は、養成施設における学習と介護現場での経験等を経て、介護と職業に関する認識がどのように変容していくのかについて、そのプロセス及び関係する要因を明らかにする。(2)介護福祉士養成施設の教員は、成人学生に対してどのような学習支援を行い、成人学生がどのように変化したと認識しているのか、また学習支援における課題は何かについて明らかにする。成人学生を対象とした調査については、中国四国地区で離職者を対象とした介護人材養成事業を受託している介護福祉士養成施設8校に対して調査対象者の選定を依頼し、離職者訓練事業の学生17人、介護雇用プログラム事業の学生18人に対して個別面接調査を行った(平成23年8月~11月)。得られたデータは逐語録としてまとめ、MAXQDAを用いてコード化及びカテゴリー生成作業を行った。また、これらの結果を調査対象者に対して文書で報告し、結果についての参考意見を収集した。介護福祉士養成校教員に対する調査は、中国四国地区の11校(17人)の教員に対して面接調査を実施した(平成23年8月~10月)。得られたデータは逐語録とし、MAXQDAを用いてコード化及びカテゴリー生成作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していた調査は全て終了し、現在結果を分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
介護福祉人材養成に関する現状を把握するために、養成事業に関する調査報告書等を入手して整理するとともに、担当行政機関を含めた調査を行う。また、研究目的達成のために、平成23年度に対象とした学生への継続調査及び追加調査を行う。同時に、平成23年度の研究結果は学会等において公表し、専門職及び研究者の意見を聞く機会を設けるとともに、介護福祉士養成校の教員である研究協力者と合同で結果の妥当性を検討する場を設定し、研究成果を洗練化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究実施計画は、以下の通りである。1.成人学生に対する調査については、介護福祉士資格を取得後、介護現場に就職した者10数人を選定し個別面接調査を行う。また、平成23年度に調査した学生の中から了解を得た者に対して再度個別面接調査を行い、養成校での学習や介護経験を経ることによる変化を調査する。得られたデータの継続的な比較検討を行いながら、成人学生の養成施設入学後から就職直後までの認識の変容プロセスについてモデル化を行う。2.中国四国地区で離職者に対象とした介護人材養成事業に係わる行政担当者に対して、成人学生に対する支援の現状と課題に関して、聞き取り調査を行う。さらに、離職者に対象とした介護人材養成事業に関する調査報告書等を入手し、全国的な動向や課題について検討を行う。3.平成23年度の研究成果については、学会等の場で発表し、結果の妥当性や質的分析の確証性について確認するとともに、考察に関する示唆を得る。4.平成23年度及び24年度の調査結果を総合的に分析し、研究目的を達成するための成果をまとめる。研究費の使用計画については、以下の通りである。1.中国四国地区の学生及び担当行政機関への聞き取り調査費用(200,000円) 2.研究成果の公表のための学会参加費用(150,000円) 3.データ整理に必要なアルバイト費用(50,000円) 4.調査結果について対象者への報告用郵送費(20,000円) 5.文献、文具等(80,000円)
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