2012 Fiscal Year Research-status Report
保護者・地域住民の学校支援が教員の職務遂行に及ぼす効果に関する定量的研究
Project/Area Number |
23653272
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
金藤 ふゆ子 常磐大学, 人間科学部, 教授 (90254903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 久美子 国立教育政策研究所, その他部局等, 総括研究官 (10259989)
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Keywords | 放課後活動支援 / 教員への効果 / 調査研究 / 定量的分析 |
Research Abstract |
本研究は、保護者や地域住民が中心となる学校支援の効果を(1)教員の職務遂行の向上と、(2)職務上のストレス軽減の2側面から定量的に明らかにすることを目的としている。 今年度は、昨年度に実施した高知県全小中学校の教員対象調査データの分析を行い、上記の2つの観点から学校支援の効果を検討した。さらに、全国の小学校3,000校を対象にランダムサンプリングによる郵送法を用いた質問紙調査(本調査)を実施した。 事前調査として実施した高知県調査データの分析によれば、放課後活動支援の中でも本研究で着目した放課後子ども教室、及び学校支援地域本部の実施は、教員の(1)対児童の評価を高める効果がある他、(2)職務へのやりがい感を高め、また(3)職務上のストレス軽減の効果があることがある程度確かめられた。特に学校支援地域本部事業の教員の職務遂行の向上と、職務上のストレス軽減効果との関連は、統計的有意差が認められる分析結果が得られた。 本年度は、それらの事前調査の分析結果をもとに、日本教育社会学会、教育実践学校での研究成果の発表を行った。さらに事前調査を踏まえて本調査の計画、実施を進めた。なお、当初の計画では本調査はインターネット調査を用いた調査を行う予定としていたが、調査データの信頼性の確保、分析結果の解釈、精度においてはやはり郵送調査の方が望ましいと判断し、郵送調査を実施した。本調査の結果、高い回収率を得て、全国の小学校教員の母集団を推定できる精度の高い調査が実施できた。現在、データのクリーニング作業を進めており、次年度に向けてさらなる分析を行う準備が整えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の概要での述べたように当初の計画では、本調査をインターネット調査で実施する予定としていたが、本年度までの研究で高知県全小中学校教員調査を実施する他、全国の公立小学校を対象とする郵送法によるランダムサンプリングの質問紙調査を実施できた。また高い回収率を得ており、当初の計画以上に精度の高い、調査結果が得られている。 すでに高知県調査によって、ある程度、放課後活動支援が教員にとっても職務遂行の向上とストレス軽減効果があることは確認されているため、本調査の今後の分析においてもその関連は検証できることが大いに期待できる。それらの結果を、次年度は国内外の学会において発表する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究の最終年であり、本調査データのさらなる分析、及び国内外の学会での口頭発表、学会誌等への学術論文の投稿を行う。研究成果の口頭発表は、研究成果の一部を5月にドイツ・ギーセン大学で開催される国際会議において発表する。さらに日本教育社会学会、日本学習社会学会での発表も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツ・ギーセンで開催される国際会議に出席するため旅費を活用する。その他、調査研究の分析結果のグラフ・表作成のため、専門家への謝金を要する。さらに研究成果をホームページ上で公開するため、得られた分析結果をまとめ、ホームページとして作成するため外部委託の費用を要する。 上記の計画は、本研究当初から予定されるものであり、研究計画の変更は特にない。
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Research Products
(6 results)