2011 Fiscal Year Research-status Report
中国の職業教育機関の特徴と学習システムに関する研究
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23653278
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
櫛田 直規 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (10109829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 政司 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10370024)
天内 和人 徳山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20390502)
丸山 延康 久留米工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00274621)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流(中国) |
Research Abstract |
平成23年度の「研究計画・方法」に基づき、中国側の連携大学大専の協力を得て、連携校への訪問調査(1)(2)(3)および日本国内での関係する文献の検討を、並行して鋭意行った。研究の概要および得られた新たな知見を下にまとめる。(1)青島大学(ソフトウエア学院、応用技術学院、高等職業技術学院、国際交流学院)、青島職業技術学院(ハイアール学院):青島大学のソフトウエア学院、応用技術学院、高等職業技術学院は3年制であり、日本の高専の本科と類似する。また、一年加えることにより学士を与えることも可能である。国際交流学院(4年制)はオーストラリアの大学などとダブルディプローマを与えることができる。青島職業技術学院は国家師範性高等職業院校であり、中国の電気メーカ第二位おハイアールとの関係が深く、卒業生の殆どは、ハイアールへ行くことがわかった。(2)威海職業技術学院、煙台大学;前者は(1)で示した国家師範性高等職業院校の一校である。自動産業会(たとえば韓国の現代自動車)との関係が深く、第二外国語は英語ではなく韓国語を主としている学生が多数いる。また理系の女子比率が40パーセントと日本に比べて異常に高い。煙台大学には、数年前まで職業技術学院4年制が存在したが、現在は大学外の大専として存在している。商船学科の船は韓国の船会社から借用し運用している。(2)の訪問校は位置関係から韓国、地場との関係が極めて強い。(3)天津科学技術大学、遼寧師範大学、天津職業技術大学 大連職業技術学院:前者2校は、長年研究活動を共にしている学者である。訪問時、職業教育に関する法的解釈について、多くの知見を得た。天津職業技術大学は教育部に属す職業教育教員を養成する中国で数少ない専門大学である。中等職業技術学院からの高考を経ることなく進学も可能という特色を持つ。大連職業技術学院は国家師範性高等職業院校の学院である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)天津科学技術大学のDAI準教授、遼寧師範大学のWANG準教授との職業教育方式に関する情報交換、(2)主として中華人民共和国教育部発布の職業教育法の調査研究、(3)青島大学(ソフトウエア学院、応用技術学院、高等職業技術学院、国際交流学院)、青島職業技術学院(ハイアール学院)、威海職業技術学院、煙台大学、天津科学技術大学、遼寧師範大学、天津職業技術大学 大連職業技術学院等における資料収集および直接訪問調査 を行った。 以上から、平成23年度申請の「研究目的」を、おおむね順調に進展した。 中華人民共和国特有の職業教育方式については、法の下で企業を職業教育機関に、その積極的負担(財政的、人的)をさせていることは注目に値する。インターンシップについても同様に我が国の施策とは違い極めて長期(一年程度)、企業と連動させていることに、特色がある。また、重要法令は教育部により発布されているが、他の大半は、国ではなく省の実情(産業立地、資本投資している外国企業など)に呼応して、省が特色を創出できる施策をとっている。卒業生の受け入れも、この観点から、地域的また産業の特殊性も、大きく職業教育機関に影響を与えている。高考の制度では、たとえば、受験者がどの省に居住しているか、によりいくつかの恩典が与えられこともある。 上記のように、H23年度の調査研究により、得られた知見は、申請時に提出した「研究の目的」をおおむね反映しており、ほぼ順調に進展していると結論付けることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度およびH25年度は、H23年度の研究成果を踏まえ、次の3点に重点を置き研究を進める。。 (1)中華人民共和国教育部発布の職業教育法の調査研究の深化、および対応する日本における職業教育との対比研究 (2)中央教育審議会キャリア教育職業教育特別部会での審議結果および専門高校との連動性の可能性についても、中華人民共和国との関係において研究を深める。 (3)中国各省で持つ職業教育の特異性(産業立地、資本投資している外国企業など)、多様性(工業商船以外の職業教育を含める)について、(2)との関連性から訪問調査により研究を深める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度およびH25年度に関わる当該研究費は「今後の研究の推進の方策」の(1)(2)(3)における、主として訪問調査、文献調査および講演に使われる。(1)連携大学(華中師範大学など)および連携大学(天津科学技術大学、遼寧師範大学など)など(2)日本産業技術教育学会での講演(3) 翻訳補助のための謝金などを予定している
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Research Products
(1 results)