2012 Fiscal Year Research-status Report
ホロン(全体子)を埋め込んだ自己成長型教育システム
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23653279
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Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
毛利 尚武 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (90126186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 眞和 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30016521)
横井 浩史 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (90271634)
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Keywords | 教育学 / 教育社会学 / 生涯教育 / 全体子 / ホロンコンテンツ |
Research Abstract |
本研究は、教育コンテンツにホロンの属性を与えて(ホロンコンテンツ),これをネットワーク上に展開し,ホロン同士の分散協調により,エージェントである学習者は自己の能力向上を高めると共に,教育コンテンツそのものを創り出していくことによって自律性,分散性,自己成長性を実現しようとするものである.そのために著名人の学習履歴の調査を行い、人生のランドマークにおいて自律性を如何にして獲得維持してきたかを確認できる評価項目を確定した。 ホロニック教育システムは,年齢性別を問わず,多くの人が参加して,皆でよいものを作り出していく,そして,皆が無償で利用できる知能社会環境を提唱し,結果として魅力ある教育システムが自動的に創り出される仕組みを目指す.この目的のために、複数のiPadを導入して、ホロンネットワークの考え方を用いて,クラウドコンピューティング上へ実装することを試みた.これにより,ホロンの自律性と自己成長能力を用いて,複数の学習者の間の知識の共有と自動的なコンテンツの創出,アクセス回数による相互評価を実現するシステムを目指した.すなわち,人とネットワークを包含する巨大な自己増殖機能を持つホロニック教育システムを開発することで生きていく力を持つ人の育成を行う基盤的教育システムの効果を期待する. 学習者とホロンとの相互通信を円滑化し,クラウドコンピューティングを実行するために必要となる構造体管理とホロン間の相互作用を構築するためのデータ送受信環境を構築した.さらに,ホロニック教育システムに自己状態管理能力を付与することにより,オートポイエーシスの機能(同種の部分機能の入れ替えの任意性,活動状態の維持機能)を構築することを目指した.さらにエージェントの行動解析によるWebページ同士の階層構造の抽出を実行し可視化を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度、24年度は、以下に示す項目を実施した。 1) 自己成長型教育システムの市場動向調査及び教育コンテンツの調査:個人教育に対する市場の動向調査を行った。また,大学教養部レベルの教科書と小中高の教科書との関係性を抽出し,基礎教育と発展的教育との間のマップを作るに資する. 2) ホロンの構造体と自己成長の機能を有するシステム構築のためのユーザーインターフェースの試作:アプリケーション開発環境Adobe AIR iPhone/iPad Simulatorを用いて,GUIとゲームアプリケーションの開発を行っている.教育コンテンツの取得や提供のためにクラウドへの通信回線などのデータの送受信環境を準備した。学習者や学習支援者および検索システムなどをエージェントとして同一視するデータ構造を提案し、さらに、ウェブページのリンクや検索結果およびカリキュラムをアソシエーションのリストとして扱うことによる組込みを図った。以上を可視化できるユーザインターフェースをiPadアプリとして実装した。 3) ホロンの構造体とシステム設計:ホロンの自己完結性を実現するために,次の5項組H{M, F, C, S, D}の属性より機能表現を試みる.属性ベクトルは,それぞれ,M:メッセージ,F:相互作用,C:コンテンツ,S:検索,D:破壊,を意味し,メッセージに基づいた相互作用を実現し,ホロンの生成や検索,破壊,を実現するシステム設計を目指す.各ホロンは生成文法規則に基づいて,新しいホロンを生成する機能を有する。4) ホロンの構造体と自己成長の機能を有するシステム構築:ホロニック教育システムを用いたコンテンツの自動生成と自動削除を行いながら,ローカルサーバ上で研究室内の試験運用を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までで、教材や学習者および学習支援者をホロンとして記述することで、相互の関係をモデル化した。また、ホロン同士の関係を可視化して編集するためのGUIアプリケーションをiPadアプリケーションとして実装した。さらに、知識集合と探索ルールを持つ学習者エージェントをホロンとしてモデル化し、自学自習のためにWeb上で調べ物を行う際のWebページ探索行動を対象にシミュレーションを行って、エージェントの行動解析によるWebページ同士の階層構造の抽出を試みた。以上を踏まえて、平成25年度は以下の内容を実施する。 1)学習者エージェントのモデルの詳細化と、それを用いた探索行動の解析および知識の体系化の手法の確立を目指す。具体的にはまず、数十名の協力者を募りWebページ探索による自学自習を行う被験者実験を実施して、探索行動のログ解析およびインタビューにより、学習者の理解度に応じた探索ルールを見出す。そして、探索行動の解析に基づく知識の階層構造の抽出を試みる。さらに、それを元にしてホロンとしてモデル化した学習者エージェントによるシミュレーションによって自律分散的な知識の体系化を目指す。2)ネットワーク安定性の理論構築と評価: ホロニック教育システムの安定的成長を保障するために,ホロン間の情報通信における相互情報量を管理し,発散を抑えるようにネットワークパラメータの最適化を行うクラウドコンピューティングへの公開を目指して,システムの整備とホロンの機能向上を実施する.3) 自己成長型教育システムの試験運用と評価:研究代表者および研究分担者間での自己成長型教育システムの試験運用を開始する。実験範囲は複数の小グループから開始し,次にグループ間の垣根を払い,最後に一般に公開できるかを判断する.この現象は極めて非線形な様相を呈するであろうから,その安定性を判断する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者実験を支援するためのサテライトサーバ及び情報分析のために専用のノートパソコン一式を購入する。また数十名の協力者を募りWebページ探索による自学自習を行う被験者実験を実施する。このための協力者謝金を必要とする。
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Research Products
(1 results)