• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

アントレプレナーシップのアセスにより生きる力の実質化を図るプラットフォームの構築

Research Project

Project/Area Number 23653281
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

有本 昌弘  東北大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80193093)

Keywordsアントレプレナーシップ / 生きる力 / 雇用 / 教科カリキュラム / 課外活動 / エンプロイアビリティ
Research Abstract

本研究は、「スクールベーストカリキュラム」を、「生きる力の実質化を図るために」「アントレプレナーシップの視点に立って」「アセスすることにより」明らかにし、プラットフォームとなる計画や実践プログラムを作ろうとするものである。ここで用いているスクールベーストカリキュラム、アントレプレナーシップという術語は、欧州起源の概念であり、わが国には馴染みが少ない。しかし、これらは皆、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)をきっかけとして、わが国の教科教育の実践を俎上に載せる十分な意義を有している世界標準の術語である。後者アントレプレナーシップは、一般的には企業家精神とも訳され、新しい事業の創造意欲に燃え、高いリスクに果敢に挑む姿勢を意味するとされている。教育の分野では、広くアイデアを行為に移すという意味でキャリア教育にも通じるものとなっている。
本研究の背景に国内での喫緊の課題である雇用や経済、特にemployabilityを考え、改訂学習指導要領に盛り込まれた「主要能力」の1つとなっている。具体的なシラバスは、国内では職場体験か総合的な学習に一部見られるものの、各教科ごと、そして何よりも教科横断的となると皆無の状態である。先端科学での多くの種類の知識生産は、「モード1」から「モード2」へといわれている中で、本研究は、学際分野の開拓と多国間への広がりをシナリオに持っている。この新分野を先端的に牽引することが、今後の日本の教育の方向性を提示することにつながる。ニュージーランドやフィンランド等海外の教員開発に反映する道筋と比較しながら、エージェンシーとしてのNPO/NGOとの連携によるカリキュラム開発の方法論に関する知見が得られた。本研究により「地域に信頼される」学校への手がかりが得られる。全体として、焦点を絞った学校改善、さらに地域力、家庭力の相乗効果についての記述が可能となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

従来の枠組みにとらわれている限り、今後の展望などは見えてこないと考え、産業、労働・雇用からの像の広がりとしての「キーコンピテンシー」も提案されてきているように、省エネから産業構造の転換にあるこの時期、学力を補完する日本型に適合するものとして注目してきたが、震災後のことを考えると、エンプロイアビリティについても再考せざるを得ない。フィンランドの教育システムが、このアントレプレナーシップを足がかりにして、雇用と学業経験とのミスマッチを克服しようと努めている点に注目してきた。 a応募者のこれまでの研究成果を踏まえ着想に至った経緯として、申請者が、2009年に、フィンランド・ユバスキュラ大学の教育リーダーシップ国際シンポジウムとニュージーランドの国立教育研究所(NZCER)を直接訪問したことがあげられる。そこでは、クロスカリキュラーアプローチによる学校改善の政策と教員開発も見られる。他方、日本においても、ある自治体において、「地域に信頼される」豊かな実践が、職場体験などをもとに自然体で行われており、その目指されているところは、コンピテンシー育成につながるものであることがわかってきている。

Strategy for Future Research Activity

人口減少の東北地方の将来を見据え、小学校にて実践を試みた仙台市柳生小学校の伝統和紙の実践から再度見直してみたい。近年の研究によると、仙台藩初代藩主・伊達政宗が歴史上慶長遣欧使節において、現地スペインでは、コミュニケーションの手段として、和紙が役立ったことが記されており、グローバルシティズンシップとも関係する。震災後教育については、この他に、イチゴ(亘理町)、純ツバキ油(気仙沼大島)など農業製品の健康やスキンケアを含めた起業の可能性、気仙沼へのソーシャルアントレプレナーシップからのNPO法人のコミットなどの分析が必要である。他方で、意図的普及に向けたプラットフォームを構築する前に、この分野での資格が、どう生涯学習社会、キャリア形成につながるか、その中での初等中等教育での位置づけはどうなのか、そのアセスメントについての海外での議論をどん欲に吸収し、基礎的知見を政策課題として蓄積していきたい。特に、未来を予測し、より良き将来のために環境、エネルギー、運輸、年金等の分野で積極的に活用され優れた実績をあげている「シナリオ」手法を通じて、将来想定される設計図・想像図を描き、教員開発あるいは資質向上の研修プログラムとしていくことが求められる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。

  • Research Products

    (10 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) Book (4 results)

  • [Journal Article] 学びを創り出すアセスメント-教員養成にお けるコアカリキュラムへの導入の必要性―2012

    • Author(s)
      有本昌弘・山本佐江・新川壮光
    • Journal Title

      『日本教科教育学会誌』

      Volume: 25(2) Pages: 69-78

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Research for Japanese-Like Competency and Assessment Through Challenges of Eager Schools for Sustainability after the Great Earthquake and Tsunami2012

    • Author(s)
      Shinkawa, M. and Arimoto, M.
    • Journal Title

      OIDA International Journal of Sustainable Development

      Volume: 3(9) Pages: 61-70

    • DOI

      http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2035591

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Japanese Contribution to School-based Curriculum for Expanding the Heritage of Value with Environmental Sustainability2013

    • Author(s)
      Arimoto, M. and Ishimori, H.
    • Organizer
      37th Annual Pacific Circle Consortium Conference
    • Place of Presentation
      University of Hawaii, USA
    • Year and Date
      20130604-20130606
  • [Presentation] スクール・ベースト・アセスメントとしてのフィードバック実践2012

    • Author(s)
      山本佐江・有本昌弘
    • Organizer
      日本教科教育学会第 38 回全国大会
    • Place of Presentation
      東京学芸大学
    • Year and Date
      20121103-20121103
  • [Presentation] 教科横断型教育活動に対するアセスメントとエヴァリュエーション2012

    • Author(s)
      新川壯光・有本昌弘
    • Organizer
      日本教育工学会 第28回全国大会
    • Place of Presentation
      長崎大学
    • Year and Date
      20120915-20120915
  • [Presentation] Linking a framework of formative assessment and evaluation for “learning to learn” to learning circles for transformational school leadership.2012

    • Author(s)
      Arimoto, M. and Looney, J.
    • Organizer
      Sixth biennial meeting of Earli Sig 1: Assessment and Evaluation
    • Place of Presentation
      Brussels, Belgium
    • Year and Date
      20120828-20120831
  • [Book] 学習の本質 -研究の活用から実践へ2013

    • Author(s)
      OECD教育研究革新センター、OECD、経済協力開発機構  立田 慶裕 他訳
    • Total Pages
      159-188
    • Publisher
      明石書店
  • [Book] よくわかる教育学原論2013

    • Author(s)
      安彦 忠彦 編著
    • Total Pages
      264
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
  • [Book] 学習とイノベーション2013

    • Author(s)
      OECD教育研究革新センター、OECD、経済協力開発機構 有本 昌弘 監訳
    • Total Pages
      352
    • Publisher
      明石書店
  • [Book] 知識の創造・普及・活用―学習社会のナレッジ・マネジメント―2012

    • Author(s)
      OECD教育研究革新センター、OECD、経済協力開発機構  立田 慶裕 他訳
    • Total Pages
      419-457
    • Publisher
      明石書店

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi