2011 Fiscal Year Research-status Report
"ハブ教員"による美術館の伝統文化コレクション教材化支援にむけての実践的研究
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23653295
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山口 健二 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90273424)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 伝統文化 / 鑑賞 / 教材研究 |
Research Abstract |
岡山県立美術館では平成22年度「美術館と学校の連携委員会」を組織し、同館の伝統文化コレクション普及のため、水墨画・備前焼を中心とする学習素材のポータブル化(アートトラベリングトランク、以下「トランク」と略称)と拠点校への配備を進めてきた。本研究費を受け、平成23年度は、(1)「トランク」のヴァージョンアップ、(2)「トランク」の普及促進にむけた補助教材(リーフレット)の作成、(3)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究支援、(4)岡山県教育センターでの研修を通じた教員ネットワークの構築の4点にわたり実績を残すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下、「研究実績の概要」欄で示した4点について、個別に評価を行う。(1)「トランク」のヴァージョンアップについては、観賞用備前焼(細工物)、特別支援教育での鑑賞補助教材等を揃えることとなり、トランクの教材としての充実度を高めることができた。(2)「トランク」の普及促進にむけた補助教材(リーフレット)については、岡山県下の全小中学校に配備する準備が整った(実際の配備は平成24年4月)。(3)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究、および(4)教員ネットワークの構築については、夏季休業期間に実施した研修および配備校での校内研修等の機会に利用し、支援体制を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究の方向性は、おおむねのところ前年度の継続発展である。すなわち(1)「トランク」のヴァージョンアップについては、現職教員の声を踏まえて、さらなる改良を試みる。(3)「トランク」配備校の中核教員(=ハブ教員)の教材研究、および(4)教員ネットワークの構築については、「ハブ教員」の人数面での強化を試みる。 (2)「トランク」活用リーフレットについては、教室学習での児童生徒向けの補助教材としても発展させる可能性が見えている。関係教員とも協議しながら、その改良を試みる。これは当初の計画では予定していなかったことであるが当研究課題の趣旨からして、ありうべき発展の方向性であるといえる。 これらに加え、本年度より開始する予定であった、(5)「トランク」を活用したわが国の伝統文化の海外普及の可能性の検証について、研究協力体制を整える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の研究費の使用状況をまず確認する。年度末の時点では10数万の未執行額となっているが、これはリーフレット印刷が当初計画より2ヶ月ずれこみ、決済が年度をまたぐ形となったためであり、実質的には計画通りの執行と考えている。平成24年度も、交付申請書で掲げた当初の研究計画に沿っての執行を進める。ただし、平成23年度に実施した「トランク改良」の評判がよいことを勘案して、さらなる「トランク改良」に当初計画より重点的に経費を配分することも検討している。
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