2012 Fiscal Year Research-status Report
アクションリサーチを用いた音楽科教師の専門性の探究
Project/Area Number |
23653299
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三村 真弓 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00372764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉富 巧修 広島大学, 教育学研究科(研究院), 名誉教授 (20083389)
緒方 満 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (20512297)
河邊 昭子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80584862)
伊藤 真 広島大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (70455046)
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Keywords | アクションリサーチ / 音楽科教師 / 専門性 / 音楽科教員養成モデル・コア・カリキュラム |
Research Abstract |
平成24年度は、教職実践演習に関する研究と、教育実習生のアクションリサーチによる研究の2方面から、音楽科教師の専門性を探究した。 教職実践演習に関する研究として、日本教育大学協会全国音楽部門大学部会に加盟する大学52校に質問紙調査を実施し、47校から回答を得た。質問紙調査の内容は、各音楽科教員養成課程の基本情報、教員養成スタンダード、履修カルテ、教職実践演習の内容等についてであった。調査の結果、スタンダードの特徴として、全評価項目のうち、音楽科の内容に関わるものが少ないこと、評価項目のうち、客観的に評価できないものがかなりの数存在することが明らかとなった。また履修カルテの特徴として、履修状況の記録と自己評価シートの組合せが多いこと、自己評価のみがほとんどで、教員のコメントはあったりするものの、教員からの評価を取り入れている大学は非常に少ないことがわかった。教育実践演習の特徴としては、教えることが難しい資質能力の修得をめざすために、様々な授業方法が考えられていること、15回の授業のうち、音楽科の内容に関わるものが少ないことがわかった。 アクションリサーチによる研究として、音楽科のすべての教育実習生に、各自の授業実践を2つずつ録画させた。教育実習終了直後、学生に、教育実習映像の自己評価と、音楽科授業実践に関わる知識・技能・指導力に関する自己評価を行わせた。その結果、音楽科教員に必要とされる知識・能力が明らかとなった。それらは、教材解釈力・教材構成力、授業構成力・学習指導案作成能力、授業運営力・評価力・指導力、一般的な教授スキル、美的価値判断力・音楽表現力等である。また、それらの知識・能力に関連する音楽科教員養成の授業科目も明らかとなった。これらによって、音楽科教員養成における教科構成原理を示すことができ、音楽科教員養成モデル・コア・カリキュラム試案を提案することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、教育実習生や現職教員によるアクションリサーチによって、音楽科教師の専門性を探究する予定であったが、日本教育大学協会全国音楽部門大学部会地区代表委員会の協力を得て、全国の加盟大学音楽教員養成課程を対象として、教職実践演習に関する質問紙調査を行うことができた。これによって、各大学の教職実践演習でめざされている音楽科教員の能力・資質の概要を把握することができ、また教職実践演習の課題もある程度明らかにすることができた。 一方、教育実習生のアクションリサーチによる研究においては、教育実習直後に学生に行わせた教育実習映像の自己評価と、音楽科授業実践に関わる知識・技能・指導力に関する自己評価とを分析した結果、音楽科教員として必要とされる知識・能力と、それらに関連する音楽科教員養成課程における科目が明らかとなった。これによって、音楽科教員養成における教科構成原理を示すことができ、音楽科教員養成モデル・コア・カリキュラム試案を提案することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
教職経験の異なる現職教員によるアクションリサーチを行い、技術的実践力と反省的実践力に関して、比較検討する。これにより、音楽科教師の専門性とは何かを明らかにする。 平成24年度に示した音楽科教員養成モデル・コア・カリキュラム試案において提案した、教科専門科目と教科教育科目とを架橋する「音楽科教育実践演習」を実際に開講し、教科専門担当教員と教科教育担当教員が協働することによって、学生の授業力がどのように伸びていくのかを検証する。それとともに、教科専門と教科教育の架橋のあり方、及び課題も明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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