2011 Fiscal Year Research-status Report
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23653308
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
谷田部 玲生 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 教授 (30311137)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 主権者教育 / 有権者教育 / 公民教育 / 政治教育 / 社会科教育 / 金融経済教育 |
Research Abstract |
研究初年度である平成23年度は、主に研究目的(1)「有権者教育等の収集整理、外国事例調査」を行った。 「有権者教育等の収集整理」では、我が国において主権者教育を中心的に実施している社会科において、これまで実際にどのように有権者教育が行われてきたか、実際の授業実践を中心に資料を収集・検討した。書籍、学会誌、学会発表等、記録として残っている実践を中心に資料を収集したが、戦後の思想的な対立、さらには政治的中立性への心配などから、実際の授業においては一般的、表面的な説明等に終することが多く、具体的な論争問題や実際の選挙を教材として、授業が行われることが少なかったことが確認できた。そのため、どちらかと言えば知識は身に付けられるものの、能力や態度の育成は十分でなかったと考えられる。 そうした中で、総務省が設置した「常時啓発事業のあり方等研究会」は、平成23年7月に中間とりまとめを出し、平成23年7月には最終報告「社会に参加し、自ら考え、自ら判断する主権者を目指して~新たなステージ「主権者教育」へ~」をまとめた。最終報告書では、学校教育における政治教育の課題を検討し、将来の有権者である子どもたちの意識を醸成するための今後取り組むべき具体的方策などを提言している。今後、総務省が主権者教育をどのように進めていくのか注視していく必要がある。 また、外国調査では、アメリカ合衆国、イギリスにおいて、主権者教育がどのように行われているかを調査した。アメリカ合衆国、イギリスにおいては、現実の論争的問題、実際に行われている選挙等を積極的に授業に取り入れていることが確認できた。授業参観等で、具体的な教材例等も収集することができた。 研究目的(2)「求められる主権者教育の在り方の検討」については、上記研究目的(1)及び「常時啓発事業のあり方等研究会」最終報告書をもとにして検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的としている3点うち、初年度である23年度に主に実施する予定だった「(1)これまでの主権者教育、さらには有権者教育、法教育、消費者教育、金融経済教育など、主権者教育と関連の深い研究・事例等を収集整理する。また、先進的な諸外国の事例を収集する。」をおおむね達成することができた。 また、初年度取りかかる予定だった「(2)社会の変化等を踏まえ、今後求められる主権者教育の在り方を検討する。」も多少ではあるが取りかかることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究を踏まえ、残された2年間で、研究目的「(2)社会の変化等を踏まえ、今後求められる主権者教育の在り方を検討する。」を進める。そしてさらに、本研究の最終的な目的となる「(3)小学校、中学校、高等学校等において、今後求められる主権者教育の内容等を開発する。」ことにより、我が国の主権種教育改善に資するようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は研究目的「(2)求められる主権者教育の在り方の検討」を中心に研究を進める。またその中で本研究の最終目的である「(3)主権者教育の内容等の開発」に取りかかる。
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