2013 Fiscal Year Annual Research Report
対称空間のq類似の研究: association scheme の枠組による
Project/Area Number |
23654005
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 達郎 金沢大学, 数物科学系, 教授 (90015909)
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Keywords | Terwilliger 代数 / TD 対 / L対 / PかつQ多項式スキーム |
Research Abstract |
PかつQ多項式スキームのTerwilliger代数には I型,II型,III型があり,その既約表現の構造はI型のみが決定されていた.すなわち I型の既約表現については shape 予想よりも更に強い指標公式が示されており,指標公式に現れる分解に応じた構造を持つことが示されていた.II型,III型についても同様のことが成立するであろうという予想を立て,その証明に取り組んできた.本年度の研究においては,昨年度に II型について行った予備的研究を土台として,II型及びIII型についてその既約表現を完全に決定した.実質的に行ったことは II型,III型のTD対が「L対のテンソル積となる」ことを示し,その分類を完成させたことである.副産物として,TD対に関する指標公式が証明された. 分類の手順は以下のとおりである.1)ウェイト分解をもとにした‘良い’基底を見つけ,その基底に関してL対のテンソル積を定義し(これを pre TD対と呼ぶ),それがTD関係式を満たすことを示す.2)このようにして構成された pre TD対に対して,Drinfel'd 多項式を定義し,その零点を求め,テンソル積構造との関係を明らかにする.3) pre TD対の既約性の判定条件を Drinfel'd 多項式の言葉で書き上げる.4)II型,III型のTD対がすべてこのようにして得られ,その同型類は Drinfel'd 多項式により定まることを示す. 特記すべき点は,I型,II型のTD対についてはただ1種類の Drinfel'd 多項式で足りるのに対し,III型のTD対については2種類の Drinfel'd 多項式を準備する必要があることである.,以上の結果は,別表に記したようにいくつかの研究集会で発表したが,論文は現在準備中である.
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