2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23654019
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (60229078)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 無限離散群 |
Research Abstract |
研究の目的について振り返る。代表者の専門分野である幾何学的群論は、80年代にグロモフが創始した双曲群論に始まる、無限群と幾何学が交錯する分野で、今まで大変活発な成果があり、代表者もいくつかの本質的な貢献をした。本研究では、幾何学的群論の立場から、主に二つの課題に取り組む。一つは、有限生成無限群の外部自己同型の空間、もう一つは、群のリミットにまつわる課題である。一つめについては、フィンスラー幾何の立場からの研究の有効性を検証する。二つめについては、斎藤恭司氏の群のリミットエレメントに関する独創的な研究を、幾何学的群論の立場から見直し、応用があるか検討したい。関連して、区分交換群についても考察する。研究実施状況については、計画通り、フランスのポアンカレ研究所における幾何学的群論の関連プログラムに参加し、大きな成果を挙げた。また、東北大において、代表者は「仙台シンポジウム」を4週間にわたって運営し、日本のトップクラスの数学者の講演を数、用意し、多くの若い参加者を得て、若手の育成にも顕著な成果を挙げた。学術的な内容について述べる。本研究課題である、群の外部自己同型について顕著な成果を得た。群Gから実数Rへの写像fが擬準同型であるとは、ある定数Cが存在して、Gの任意の二つの元a,bについて次が成り立つことである。|f(a)+f(b)-f(ab)| ≦ C.代表者は、Bestvina-Brombergとの共同研究で、写像類群上の擬準同型を多く構成し、交換子距離について顕著な成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タイヒミュラー空間上に定義されたFunk距離という非対称な距離について、興味深い結果を得た。萌芽的な研究としては評価できる具体的な進展である。曲面の外部自己同型の交換子長についても顕著な成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、Funk距離について研究する。群の増大度について、計算機を援用して研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スウェーデンの研究所に滞在して、Funk距離と曲面の外部自己同型について研究する。そのための旅費を支出する。ボンの研究所に出張して、研究課題について研究する。
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