2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23654019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60229078)
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Keywords | 幾何学 / トポロジー / タイヒミュラー空間 / 増大度 |
Research Abstract |
この研究の目的は大別して二つあり、離散群の外部自己同型と離散群のリミットエレメントである。さらに外部自己同型については自由群と曲面群が重要な対象である。 曲面群の外部自己同型は写像類群である。研究期間中、写像類群についてはタイヒミュラー空間上のFunk距離に関連していくつかの先駆的な結果を得た。Funk距離は、古典的にはユークリッド平面の凸な図形の内部に定義された距離であり、その対称化はヒルベルト距離になる。最近、山田澄夫氏によってタイヒミュラー空間に対して定義された。タイヒミュラー空間上のベイユ・ペーターセン距離とFunk距離の関係について、代表者はいくつかの興味深い評価を得た。これらの結果はタイヒミュラー空間の一部にある双曲性に由来して、Funk距離がユークリッド空間の場合と異なる振る舞いをすることを明らかにした。写像類群の作用についても新しい知見を与えていて、かつ他の群の自己同型群でも同様な現象を示唆する点で先駆的である。その内容の一部は論文"Geometry of the Funk metric on Weil-Petersson spaces"として発表済みである。 次に、群のリミットエレメントについては群の増大度と関係があるが、それについて山下靖氏の協力のもと、いくつかの群についてコンピュータによる計算を行った。それについては論文"Experiments on the growth of groups "にまとめ、RIMS研究集会"Intelligence of Low-dimensional Topology" 報告集から出版される予定である。それらの結果は今後の研究方向を示唆するものであり、非可換群のエルゴード性定理との関連についての端緒を得た。
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Research Products
(11 results)