2011 Fiscal Year Research-status Report
タイヒミュラー理論によるレフシェッツファイバーの研究の新展開
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23654024
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
志賀 啓成 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10154189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 秀樹 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40385480)
遠藤 久顕 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20323777)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レフシェッツファイバー空間 / タイヒミュラー空間 |
Research Abstract |
志賀啓成は、リーマン面のモジュライ空間の1点の単射半径をその点を表すリーマン面の双曲構造を用いて下から評価することに成功した。また,Lefschetz fibrationのholonomyとslope不等式の関係について新たな知見を得た. 宮地秀樹は、タイヒミュラー空間上のタイヒミュラー距離に関する幾何学を研究した.タイヒミュラー空間のタイヒミュラー距離に関するホロ関数境界がGardiner-Masur境界と一致するが,今年度はタイヒミュラー距離に関するグロモフ積が境界まで連続的に拡張されることを示した.さらにグロモフ積と交点数函数との関係も明らかにし,その応用として,既に知られている有限個の例外を除いてタイヒミュラー空間の等長写像群が写像類群と自然に一致することを示した. 遠藤久顕は、T. E. Mark氏(ヴァージニア大学), J. Van Horn-Morris氏(アメリカ数学研究所)との共同研究により, Lefschetzファイバー空間のモノドロミーの置き換えと一般化された有理ブローダウンとの関係を明らかにした. また, 超楕円的なLefschetzファイバー空間のファイバー和に関する安定化定理を証明すべく, 鎌田聖一氏(広島大学)によるチャート表示を用いていくつかのアプローチを試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年末にワークショップを開催し,若手研究者と議論を重ね,Lefschetz fibrationのmonodromyに関する理解が深まった.これによって研究代表者がこれまでに得たリーマン面の正則族に関するmonodormyの理論との関係について考察が進んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の対象はmonoromyであるが,それは曲面の基本群から写像類群へのある準同型である.したがって写像類群の考察と密接に関係している.また,本研究では「正則性」ということも重要なポイントである.今後はこの2点-写像類群の考察と「正則性」の考察-に主にフォーカスを当てて研究する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度より研究分担者の一人の遠藤氏が研究代表者の大学に着任することが決まったため,研究打ち合わせなどのスケジュールを若干変更した.また,今年度は国内での研究打ち合わせ,情報収集を中心に行った.これらの理由により研究費の使用額を変更した.次年度は,上記推進方策に沿って,海外研究者も含めて研究打ち合わせ,情報収集を行う.そのためにデンマーク(写像類群の専門家と研究),ニューヨーク(正則運動の専門家と研究)の海外出張を予定している.
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Research Products
(19 results)