2013 Fiscal Year Annual Research Report
球面デザインにおける統計的最適配置と物理的最適配置の双対構造と構成法
Project/Area Number |
23654031
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 正憲 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (50508182)
間瀬 茂 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (70108190)
|
Keywords | 球面デザイン / 1因子分解 / ユークリディアンデザイン |
Research Abstract |
本研究では,下記の研究を実施した. (1)球面上の関数を多項式で近似して積分する際に,被積分多項式の次数がある値以下の場合に,実際に球面上で積分する代わりに,有限個の観測点の関数値の重み付和として積分を表現することができることが知られている.また,被積分関数が回転不変な性質を持つ場合に,n次元空間全体で積分する代わりに,複数個の同心球面上の観測点での関数値の重み付和として積分を表現できることも知られている. 本研究では,ユークリディアンデザインの統計的最適性に注目し,被積分多項式が2次以下のときに,2つの同心球面上で,Φp-最適となる球面デザインの満たすべき点配置について,球面の半径比と,最適配置の場合の各球面上の点の数,およびその点の数を持つ最適な点配置を明らかにした.本研究成果は,2012年7月のism-APRMをはじめとして様々な国際会議,国内学会,研究集会で発表し,国際的な統計雑誌Sankhya The Indian Journal of Statisticsに掲載された. (2)複素球面上の球面デザインについても研究を行い,量子ジャンプ符号と同値なt-mutually orthogonal t-designs (t-MOD)という複素数体上のデザインがある意味で,最適な時には,それらを複素球面上に配置することにより,それらの点の内積に注目すると,内積の種類が少ないd-codeと呼ばれる点配置となっている例を見出した.これは,複素球面上の配置のクーロン力によるf-エネルギーを最小化する組合せ構造と関係があると思われるがその解明には至らなかった.さらに,この問題は完全グラフの因子分解問題の複素数体上への拡張とみなすこともでき,その方向への一般化との関連も見出した.これらの研究成果は現在,論文として,取りまとめ中である.
|