2012 Fiscal Year Research-status Report
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23654056
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (50309100)
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| Keywords | 反対称マリアバン解析 / クリフォード代数 / フェルミオン / ボゾン化 / タウ関数 |
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| Research Abstract |
当該年度は，1. Wiener空間上でのクリフォード代数の表現を構成するという研究(新田泰文氏，松下智氏，吉川和宏氏との共同研究)がほぼ完成し，さらに 2.そこでのボゾン化写像が確率面積の指数関数を積分核とする経路積分で書けるという新たな成果(蓬原秀実氏との共同研究)が得られた．また，3. Ramer-Kusuoka 公式の代数化についてもポアソン過程に関するものも含む形で一般化することに成功した（天羽隆史氏との共同研究）．そのほか，4.クラーク公式の離散化についてもほぼ一般理論が完成した(天羽隆史氏，大熊香里氏との共同研究)．これらの成果のうち1については，2013年3月8日に，共同研究者の蓬原氏がParis第6大学でのセミナーで講演を行った．また，翌週のフィレンツェ大学でおこなわれた国際シンポジウムにおいてはポスター講演をおこなった．3については，2012年9月24日に赤堀がチューリッヒ工科大学で行われた国際シンポジウムにおいて講演をおこなった．4については，2013年3月17日に共同研究者の天羽氏が関西大学でおこなわれた研究集会で講演をおこなった．そのほか，従来得られていたタウ関数の確率面積を用いた表現に関する結果について，新しい共同研究をスタートさせた（吉川和宏氏). また，永田氏，吉川氏，天羽氏とのプロジェクトである確率ハミルトン系の可積分性についてもそのSLEとの関連について若干の新しい知見が得られている．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上述の成果のうち，1, 2は反対称なマリアバン解析の基礎理論の中核をなすものであり，研究計画が提出された時点で予想された結果をある意味で上回るような成果を得ることが出来た．また，3,4については対称なMalliavin解析の中核をなす公式を代数化することによってその反対称版を構成するという目的をもって研究をすすめている．これは当初の計画にはなかったことであるが，新たな知見として得られたものである．そのほか，新しい研究プロジェクトがつぎつぎと立ちあがていることも研究の著しい進展を示すものであると考える．
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| Strategy for Future Research Activity |
2012年度までの成果をうけて，今年度は次の目標をもって研究をすすめる．(1) Wiener空間でのクリフォード代数の表現から構成されるVertex Operator の真空への作用を具体的な確率変数としてあらわす．2012年に蓬原氏との共同研究から得られた成果によれば，これも確率面積を用いて表すことが出来るはずである．(2)このようにして得られたソリトン解のタウ関数と2011年度に確率面積を用いて構成したそれとを統一的に理解する枠組みをつくる．これはなんらかの(おそらく無限次元の意味での)保型性と捉えられる．(3)一般の代数曲線のテータ関数についての確率論的表示とそのゼータ関数についての研究を行う．(4) 我々が得たタウ関数の確率論的表示を非線形偏微分方程式の大域解の存在証明に応用する．
また，昨年度までに得られた研究成果を国内外の研究集会等で発表し，また，論文をpreprint serverや査読付き国際誌に投稿する，ということも本年度の目標である．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究費は，昨年度までに得られた研究成果を国内外の研究集会等で発表するためにかかる出張費に主に使用する．次年度使用額が生じた理由は昨年度にはまだ十分に成果が得られておらず，当該の内容についての研究発表の機会が予定よりも少なかったためである．また，専門的知見からの助言をうけるために内外の研究者を招聘するための費用としても使用する．概算は以下の通りである：東京<=>草津の2泊3日の出張x10=50万円，日本<=>欧州の2週間程度の国外出張x2=80万円．
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Research Products
(4 results)
