2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23654057
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
利根川 吉廣 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80296748)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 極小曲面 / 安定性 / バリフォールド |
Research Abstract |
幾何学的測度論の概念であるカレントとは向き付けされた多様体の一般化であり、同じくバリフォールドは向き付けを落とした多様体の一般化である。前者は向き付けがある分、境界の概念が自然に定義できるが、弱収束に関して曲面積が一般的に下半連続となる特徴がある。後者は境界の概念は厳密には無いが、一方で平均曲率を定義できること、また曲面積が測度収束に関して連続であるという特徴がある。これら特徴を上手く組み合わせた概念としてカレントバリフォールドペアを考え、特にその正則性理論について研究を行うことを提案している。初年度にあたる今年度は、元々応用の対象として念頭にあるリーマン多様体上の極小曲面の解析に関連する研究結果の情報収集、その理解、および問題点の整理を行った。研究活動の一環として研究協力者のN. Wickramasekera(英国ケンブリッジ大学)を2週間研究訪問し、安定的な極小曲面に関する正則性理論についての意見交換および研究討論を行った。研究の具体的な内容に関しては、Jon Pittsによる、局所的に安定性を持つMountain Pass解の構成方法を論じたPrinceton Lecture Noteの詳細な見直しに多くの時間を割いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から予定していたWickramasekera氏への訪問が実現でき、安定的な極小曲面の正則性理論について実質的な議論ができたことが大きい。またPittsの理論の理解を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度後半に予定していたWickramasekera氏の北大訪問が実現せずに研究費を次年度に繰り越す事となった。24年度は7月後半に同氏の訪問を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように同氏の北大訪問を一回予定しており、また関連する研究を行っているスイス工科大学の研究グループとの研究協力を模索する為、訪問又は招へいを予定している。
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Research Products
(1 results)