2011 Fiscal Year Research-status Report
完全非可積分系の無限次元特異点論構築と特異モーション・プランニング問題への応用
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23654058
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 剛郎 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50176161)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 特異トラジェクトリ / 制御系 / 終点写像 |
Research Abstract |
完全非可積分系に付随する無限次元多様体上の写像の特異点を組織的に分析する方法を構築し,それを具体的な特異モーション・プランニング問題,すなわち,工作機械・ロボット等に,こちらがさせたい動き(状態空間上のパス)を,現実の拘束条件のもとで許容される動きによっていかに近似できるか,そのエントロピーや複雑さなどの量を,許容パス空間が特異性を持つ場合に評価する問題へ応用する.その応用を通して,一般の拘束条件付きの写像空間の特異点に対する基礎理論,普遍的な指導原理を確立することを目指す研究課題である.23年度は,無限次元特異点の情報収集,資料精査,国内,海外での関連する研究の現状確認および終点写像をはじめとする無限次元特異点のパターンの分類についての研究を行った.特に,制御系のうち,ジェネリックなアフィン系について,特異トラジェクトリの一般的性質を考察し,特異トラジェクトリに関して,時間最短問題,コスト最小問題との関係から明確に把握できている段階まで達した.この特異トラジェクトリを用いた,任意のパスの近似問題,さらにモーション・プランニングの実際問題への応用については,次年度の課題となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
制御系の特異トラジェクトリを,時間最短問題,コスト最小問題との関係から明確に把握できている.この特異トラジェクトリを用いたモーション・プランニングの実際問題への応用については,24年度の課題となる.23年度,海外の関連研究会における情報収集が実現できなかった.研究全体の進展には今のところ影響していないが,次年度以降の研究の発展のために実現する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
完全非可積分系に付随する無限次元多様体上の写像の特異点を組織的に分析する方法を構築し,それを具体的な特異モーション・プランニング問題,すなわち,工作機械・ロボット等に,こちらがさせたい動き(状態空間上のパス)を,現実の拘束条件のもとで許容される動きによっていかに近似できるか,そのエントロピーや複雑さなどの量を,許容パス空間が特異性を持つ場合に評価する問題へ応用する.その応用を通して,一般の拘束条件付きの写像空間の特異点に対する基礎理論,普遍的な指導原理を確立することを目指す研究課題である.当初の計画通りであるが,24年度の課題として,任意のパスの近似問題,および,特異トラジェクトリを用いたモーション・プランニングの実際問題への応用が課題となっている.制御系のうち,ジェネリックなアフィン系について,特異トラジェクトリの一般的性質を考察し,特異トラジェクトリに関して,時間最短問題,コスト最小問題との関係から明確に把握できている段階まで昨年度に達しているので,この特異トラジェクトリの性質を用いた,任意のパスの近似問題,さらにモーション・プランニングの実際問題への応用についての研究を推進する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
経費の節減の結果生じた使用残については,今年度実現できなかった海外・国内での関連研究集会等での情報収集および成果発表のために使用する.
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