2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23654083
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90183889)
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Keywords | 原子核乾板 |
Research Abstract |
自前の原子核乳剤製造装置を用いて、高感度な原子核乾板の開発を行った。最終的に目標とする感度までは到達しなかったが、従来比3倍の感度を持つ原子核乳剤の安定供給に成功した。その経時変化特性について試験を行い、従来は乳剤製造時に同時に添加していたアンチフォグ剤を製造時には添加せず、フィルムに加工する際に乳剤に添加する方式に変えることによって、乳剤としての保存特性を大幅に改善できることを明らかにした。また同薬剤の量を調整する事により、フィルム化後に記録された飛跡の保存特性の改善を行った。さらにこのプロセスで製造した原子核乳剤をフィルム化し宇宙線を照射して検出効率の評価を行い、これまで用いてきたフィルム(OPERAフィルム)に比べて、角度の小さな領域で80%→96%の大幅な検出効率の改善が可能である事を示した。 また、感度をさらに高めるために素粒子の飛跡上に並ぶ微粒子ハロゲン化銀結晶の数を増やすべく、ハロゲン化銀結晶の一層の微粒子化に取り組み、20nmサイズのものから250nmのものまで安定に製造が出来るようになったが、最小電離粒子に対する感度の最適化を行うには至らなかった。今後研究を継続し、感度とサイズの最適化を図って行く。
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Research Products
(6 results)