2011 Fiscal Year Research-status Report
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23654092
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ゲージ理論 / シミュレーション |
Research Abstract |
格子ゲージ理論は、場の量子論を数値的に研究するための基本的枠組みであり、一方、場の量子論は原子核、物性理論など広い分野で強力な研究手法となっている。特に、高速な計算機が研究室レベルで広く導入されることで、より現実的なシミュレーションが可能になってきている。しかし、格子ゲージ理論は複雑な体系でもあるため、その計算機コードは複雑であり開発には膨大な時間が必要となる。数値解析の手法についての不安もあり、多くの研究者は自ら数値シミュレーションを行うことには抵抗が大きい。本研究では、基本的なシミュレーションコードを部品として提供し、利用者はそれを組み合わせていくことで自身の問題を解決できるようにする。計算科学におけるPSE(Problem Solving Environment、問題解決環境)の指針に従い、ライブラリーの集合体ではなく、内部をユーザが自由に分析・改変できるホワイトボックス型のシステムとする。計算科学におけるPSE(Problem Solving Environment、問題解決環境)の指針に従い、ライブラリーの集合体ではなく、内部をユーザが自由に分析・改変できるホワイトボックス型のシステムとする。初年度である平成23年度は、利用者が実際に使うときに何を困難に感じるかを分析し、より使いやすいように全体の構成を検討した。また、フェルミオン系の計算のスピードを向上させるために、もっとも計算時間が必要な線形計算部の共役勾配法(CG)の改良版であるBiCGStab の取り込みを検討した。さらに、近年大きな進歩があり、将来的に重要となると思われる有限密度系のシミュレーションのために、フェルミオン行列の固有値計算部を整備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の計画をほぼ実施した。ただ、プログラム整備を補助してくれる方に、全体のコードの構造を理解していただくために時間を必要としたため、コードの整備が一部遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、多くの人が使いやすい環境を実現することを目指し、直感的に理解できるプログラム構造の構築と、マニュアル整備を開始する。また、必要度が高い分野は何であり、どのような研究が重要となっていくのかについても調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査のための旅費。プログラム整備の補助者への謝金。
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