2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23654092
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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Keywords | 場の量子論 / QCD / 数値シミュレーション / モンテカルロ計算 / マルチコア |
Research Abstract |
現代の素粒子論の標準理論は、すべて場の理論の形で定式化されている。近年、コンピュータの発展と相まって、数値シミュレーションが場の理論を研究するための強力な手法となってきた。特に量子色力学(QCD)は、その強い結合定数と、高い非線形のために、数値的計算がほとんど唯一のアプローチとなっている。また、原子核理論はハドロン物理学としての側面が重要となり、そのための第一原理計算としての格子QCDに対する期待は高い。 本研究は、ゲージ理論の数値シミュレーションの経験は無いが、自分の研究の道具として使いたい研究者が実際にシミュレーションを行うための環境を整備することを目的としている。具体的には 1) Lattice Tool Kitと名付けたプログラム群を整備する、2) その背景と使い方を分かりやすく説明するドキュメントを整備する、3) 新しいアルゴリズム、新しい計算機アーキテクチャに対応するの諸点を進めた。 現在、Lattice Tool Kitは、純ゲージ系、フェルミオン計算、HMC型シミュレーションから構成されている。これに、エラー解析をするためのコードを付けている。 実際に利用した研究者の意見から次のバージョンではどのような点の改良が必要か検討した。その結果、格子のサイズなどは3つの部分で共用しているが、どれかで直すと別のものに影響が出て混乱するなどの意見が得られた。また、数値シミュレーションの世界的専門家にコードを見てもらい、より効率的なコードに変更可能な部分を調査してもらった。
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