2012 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体チューブを用いた単色可変高出力テラヘルツ光源の開発
Project/Area Number |
23654097
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒田 隆之助 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (70350428)
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Keywords | テラヘルツ / 超短パルス電子ビーム / チェレンコフ航跡場 / コヒーレント放射 |
Research Abstract |
本研究は、高輝度・超短パルス電子ビームを生成し、キャピラリーチューブによるテラヘルツ領域コヒーレント・チェレンコフ放射生成を行うものである。同時に、キャピラリー材料に強誘電体を用いることで単色可変の高出力テラヘルツ光源の可能性を探索するものである。最終年度までにSバンド小型リニアック施設を用いて、キロアンペア級のピーク電流値を持つ高輝度・超短パルス電子ビーム(エネルギー約40MeV、電荷量1 nC以上、パルス幅500fs以下)を生成し、誘電体キャピラリーチューブを通過させることでテラヘルツ領域のコヒーレント・チェレンコフ放射を生成に成功した。誘電率2.1、内径1/8インチ、外径1/16インチのテトラフルオロエチレン(PFA)チューブを用いたところ、進行方向にテラヘルツ光を観測し、ショットキーダイオード検波器によって検出に成功した。また、ビーム軸上での観測ではコヒーレント・シンクロトロン放射との区別が困難であることがわかり、それらを分離するため偏向電磁石の前に穴あきミラーを導入した。同時にシミュレーションコードによる放射計算を行い、誘電率3.8の石英チューブ(内径: 200μm、外径: 300μm、長さ1cm)に電荷量 0.75nC、ビーム径 50μm(rms)、パルス幅 500fs(rms)の電子ビームを集光させると、0.45THz帯で10μJ以上のコヒーレント・チェレンコフテラヘルツ放射が得られることがわかった。実際に石英チューブを用いることで、単色性の高い放射が得られることも確認できた。また、単色可変を目指した強誘電体材料としてはPVDFフィルムを用いた放射実験を行い、コヒーレント・チェレンコフ放射の発生を確認することができ、単色可変テラヘルツ光源実現への目処が立ったと言える。
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Research Products
(4 results)