2012 Fiscal Year Research-status Report
主鎖剛直・柔軟性とメソゲン側鎖稠密度の組合せがもたらす高分子液晶の相変化挙動
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23654145
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
重原 淳孝 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60170867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
敷中 一洋 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00507189)
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Keywords | 液晶高分子 / 置換基密度 |
Research Abstract |
研究計画書に書かれている内容のほぼ全てに当たる内容とそれ以外の内容について、達成できたため、研究は当初の計画以上に遂行していると言える。達成項目は下記の6点である。 (1)メソゲン側鎖基のスペーサー長効果を検討するために、m = 3~5, 7~9, 11~14, 16, 18のHOCH(CH3)CH2O(CH2)mOMを必要量合成した。(2)フマル酸とのエステル化反応により相当するbis-Fフマレートモノマーを、同様の手法により相当するbis-Nノルボルネンジカルボキシレートモノマーを合成した。(3)bis-Fはラジカル重合、bis-Nは配位アニオン重合によりポリマーへ導いた。(4)各ポリマーの分子量分画を行い、分散度が1.1以下の各種分子量の試料を確保した。またそれぞれの試料についてキャラクタリゼーションを行った。(5)上記(4)で得られた試料について、液晶相変化の温度特性を求め、XRD測定などを実施した。(6)ロジウム錯体を用いたジアゾ酢酸エステルの重合によるシンジオタクチックポリ置換メチレンの合成を行った。具体的には(1)~(4)記載の試料以外に側鎖基がアルキレンないしフェニルアルキレンのポリ置換メチレンを重合し、液晶としてのキャラクタリゼーション((5)を中心に)を行った。特にアルキレン側鎖を持つポリ置換メチレン群について、一定長以上の側鎖炭素数条件でヘキサゴナルカラムナー相を発現し、主鎖がポリマーのシンジオタクチック性に由来したらせん構造を取る事をそれぞれ明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定したフマレートモノマーから始まったポリ置換メチレンの重合/評価以外にもロジウム錯体をベースとしたジアゾ酢酸エステルからのポリ置換メチレン重合とそのキャラクタリゼーションも達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
下記5項目について、研究を行う。 (1)スペーサー長の異なる2つのメソゲン側鎖基を持つ非対称長bis-Fあるいはbis-Nの合成経路を、次のいずれかの方法で確立する。a)フマル酸またはノルボルネンジカルボン酸のモノt-ブチルエステルを得て、第一のメソゲン側鎖基原料とエステル化した後にt-ブチル基を除去し、第二のメソゲン側鎖基原料とエステル化して目的の「非対称長メソゲン側鎖基を持つbis-Fあるいはbis-N」を得る。b)マレイン酸無水物あるいはノルボルネンジカルボン酸無水物と第一のメソゲン側鎖基原料とを反応させて半エステルとし、第二のメソゲン側鎖基原料とエステル化して目的の「非対称長メソゲン側鎖基を持つbis-Fあるいはbis-N」を得る。なお、bis-F合成においては、途中、マレエートからフマレートへの塩基触媒異性化反応経路の確立も実施する。(2)bis-Fはラジカル重合、bis-Nは配位アニオン重合によりポリマーへ導く。(3)各ポリマーの分子量分画を行い、分散度が1.1以下の各種分子量の試料を確保する。またそれぞれの試料についてキャラクタリゼーションを行う。(4)上記(3)で得られた試料について、液晶相変化の温度特性を偏光顕微鏡観察とDSC測定より求め、また必要に応じて小角X線回折測定などを実施する。これにより、同一分子内に異なるスペーサー長を持つ高分子液晶において、特定の液晶相の下限転移温度が降下する現象を定量化する。(5)フマレートでは無くロジウム錯体を用いた置換メチレンの重合により得られた高分子液晶について(3)(4)の項目に挙げた検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当無し。
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