2013 Fiscal Year Annual Research Report
発光細菌の同期的発光挙動から演繹される生体の対酸化ストレス緩和メカニズムの導出
Project/Area Number |
23654148
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
柄谷 肇 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (10169659)
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Keywords | 生物物理 / 生物発光 / 好気的代謝 / 酸化ストレス / 酸化的リン酸化 / 活性酸素種 / 可視化 / 酵母 |
Research Abstract |
本研究は平成23年度より24年度に掛けての研究課題であり、実質的に24年度に終了している。成果発表の投稿論文の出版が年度末から平成25年度初頭になるものと予想され、出版および平成25年度からの実験引き継ぎなどに関わる費用69329円を繰り越した。平成24年度実績報告書様式F-7-1と重複するが、実績の概要を記す。 周期的データの観点から、離散フーリエ解析などに基づいて、酸化ストレス条件において生じる動的な発光パターンを調べた。さらに、酸化ストレスと密接に関わる真核細胞ミトコンドリア(MT)における活性酸素種(ROS)の生成消滅の可視化、およびミトコンドリアに生物発光能を付与する研究を行った。真核細胞モデルには酵母を用いた。発光細菌にはさらにAliivibrio sifiae Y1も用いた。また一般化を目的として発光細菌ルシフェラーゼ遺伝子をクローニングしたプラスミドで形質転換した生物発光大腸菌を用いた。ミトコンドリアの可視化では、A. sifiae Y1由来の黄色蛍光タンパク質(Y1-Yellow)コード遺伝子をpYES2/CTにクローニングし、酵母を形質転換した。Y1-Yellowコード遺伝子のN末端にはMTシグナル配列を融合した。 フーリエ解析に基づく発光細菌発光パターンを考察した結果、発光明滅パターンは発光細菌の集団的な酸化ストレス応答のアウトプットであると捉えられた。Y1-Yellowコード遺伝子によるミトコンドリアの可視化に成功し、酸化ストレスと密接に関わるROSの生成消滅およびミトコンドリアのモルフォロジーの可視化を達成した。 論文については平成24年度年末に出版された。また本研究は、平成25年度からの科研費基盤研究(C)“酸化的リン酸化-活性酸素の同時可視化及びミトコンドリアの自己組織化機構の解明”に好適に引き継がれた。
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Research Products
(2 results)