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2011 Fiscal Year Research-status Report

モデル実験によるスローアースクエイクの直観的理解

Research Project

Project/Area Number 23654155
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

並木 敦子  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20450653)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井出 哲  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90292713)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords微動 / アスペリティ / 粘弾性
Research Abstract

スローアースクエイクと呼ばれる、人間が感じるような地震波を出さずに断層が滑る現象が最近明らかになっている。スローアースクエイクには非火山性微動と連動する物もある。非火山性微動は通常の地震よりも小さい振幅で低周波数の振動が数時間から数日の間継続する現象である。これはプレートと上盤の間の断層がゆっくりとすべる時におきた小さな地震と解釈できる。しかし、何故、速くすべって大きな地震を起こす場合と、ゆっくりすべって小さな地震を起こす場合があるのか、良くわかっていない。そこで本研究では地震学分野ではこれまであまり行われて来なかったモデル実験により、大きな地震を起こさないすべりのメカニズムを研究している。初年度にあたるH23年度はこのモデル実験に必要な、模擬物質の選定、実験装置の開発、実験、実験結果の解析を行った。これまでのモデル実験では地球の岩石の模擬物質に粘弾性の固体を用いていたが、これと異なり粘弾性の流体であるスライムを用いる事でより地球に近い状態を再現する事を可能にした。また、実験装置の形状を粘弾性体の下面を移動させるように工夫した事により、形が時間変化する流体を用いた地震の実験を可能にした。その結果、外的に与えた変位が粘性緩和により十分には回復しない条件がある一方で、その条件下でも弾性波速度で伝播するすべりがある事を発見した。また、実験結果に基づき地球のスローアースクエイクで観察されているモーメントと継続時間の関係式を説明するスケーリング則を作成した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初計画ではH23年度は正確に実験を行う事を可能にし、その結果を理解する事を目標としていた。すでにこの目標を達成した上、地球に応用可能なスケーリングを作成している。

Strategy for Future Research Activity

H23年度の研究により、この実験をより細かく観察する事で地球岩石と良く似た粘弾性流体が地震を起こした後にゆっくりすべる現象(アフタースリップ)のメカニズムが明らかになる可能性が見えてきた。アフタースリップは震源メカニズムを考える上て極めて重要な現象の1つである。H24年度は実験におけるアフタースリップの観察を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

アフタースリップを観察する為には、粘弾性流体のより詳細な運動を可視化しなくてはならない。従って可視化に必要なレーザーを購入する予定である。また、H23年度の成果を発表する為に学会旅費、英文校正、論文出版費用として研究費使用する予定である。

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Published: 2013-07-10  

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