2012 Fiscal Year Research-status Report
超音波ドップラー流速計を用いた海氷の厚さの計測手法の開発
Project/Area Number |
23654163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
深町 康 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (20250508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (30185251)
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Keywords | 海氷 / 係留観測 / 超音波ドップラー流速計 |
Research Abstract |
2009年8月から2010年7月までの1年間に渡ってアラスカ州北部バロー沿岸沖のチャクチ海で取得した超音波氷厚計による海氷データについては、昨年度までに暫定的な海氷厚を算出していたが、その海氷厚データの精度を向上させるための様々な処理を実施した。具体的に行った処理は、以下の通りである。 1. 海氷厚を導出する際に最も重要な要素となる音速データの補正を、超音波氷厚計のデータのみでなく、超音波ドップラー流速計の海氷漂流データおよび水温・塩分計の水温データも用いて、より精密に実施した。 2. 暫定的に導出された海氷厚のデータについては、海氷底面だけでなく海水面のデータも含まれているので、海水面のデータを客観的な指標に基づいて削除し、海氷のみについてのデータセットを作成した。 2012年7-8月にはアラスカ州バローに研究分担者の大島らが出向き、前年に設置した2つの係留系の回収を行うと共に、更なるデータの取得を行うために、再度2つの係留系の設置を実施した。この際に回収したデータは全ての測器について良好なものとなっており、それらのデータについてもこれまでに回収したものと同様に初期的な処理を開始している。 また、2009-10年に取得したデータについては、International Symposium for the Arctic Researchや日本海洋学会において、海氷厚の季節変動や冬季の薄氷域(ポリニヤ)の出現などに焦点を当てて、その解析結果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
比較データとなる超音波氷厚計による海氷厚は十分な精度で導出が出来ている。 2012年夏に回収した2つの係留系については、全ての測器で良好なデータが取得出来ており、それらのデータの初期的な処理が順調に進んでいる。また、2012年夏の係留系の再設置も予定通りに実施することが出来た。 成果の発表についても、国際シンポジウムおよび国内学会で実施出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波ドップラー流速計と水圧計のデータから独立した海氷厚のデータを導出し、この値を既に導出している超音波氷厚計による値と比較することによって、前者の手法でどの程度の精度の海氷厚データを取得することが出来るかを明らかにする。更に、その成果発表を学会において行い、最終的には国際誌に論文を投稿する。 また、2013年夏には、アラスカ州バローに再度出向いての係留系の回収および再設置を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)