2012 Fiscal Year Annual Research Report
鉱物・流体包有物形成における分別作用:岩石形成過程への新アプローチ
Project/Area Number |
23654180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 敦 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40422092)
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Keywords | 流体包有物 / 鉱物包有物 / 結晶成長 / 水熱実験 / 斑状変晶 / 分別作用 / 過飽和度 |
Research Abstract |
岩石中の班晶中の鉱物包有物や流体包有物の形成メカニズムを明らかにするために、水熱反応実験と変成岩の解析を行った.石英中に包有物を取り込ませる実験では,430℃、30MPaの超臨界状態において,水熱下で結晶成長させて,初生的な流体包有物も鉱物包有物も作成することに成功した.包有物は結晶成長の初期段階で多く取り込まれており,一方で,自形面を形成した後にはあまり取り込まれていない.このことは,初期のラフな成長面をもつ成長段階において,包有物を取り込みやすいことを明らかにした. また、三波川変成帯のざくろ石を解析して、ジルコンや黄鉄鉱などのざくろ石成長反応に関与しない鉱物を取り込んでいること、また、包有物を取り込む時期は選択的に結晶成長の開始時であることを明らかにした.また、メタチャート中の骨格だけ残っているざくろ石は、結晶方位がランダムでざくろ石に仕切られた各部屋は単一の結晶が入っており,周囲の石英をまた周囲の粒界を割りながら包有物として取り込でいるということを明らかにした.また、熱力学的な計算により,このような変わった組織を持つざくろ石は通常よりも100℃以上低温か非常に過飽和な状態で成長したことを示唆した.このように包有物は単に母結晶と平行な条件を記録しているのではなくて,むしろ流体移動や結晶成長過程などのダイナミックなプロセスをそこから読み取れる可能性を示唆した.
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Research Products
(10 results)