2012 Fiscal Year Research-status Report
新機能性探求へ向けたプラズマフォトニック結晶内部の直接波動計測
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23654197
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
高橋 和貴 岩手大学, 工学部, 助教 (80451491)
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Keywords | プラズマ基礎 / プラズマ周期構造 / フォトニック結晶 / マイクロ波 |
Research Abstract |
昨年度生成に成功した周期的プラズマ構造の高密度化を実現するために,二年目であるH24年度は,これまでの直流放電にかわって400 kHz帯容量結合性放電による高密度かつ周期的な密度分布を有するプラズマの生成を行った.プラズマ生成電極のプラズマ非生成領域をすべて絶縁物と設置した金属でシールドすることにより寄生放電を抑制し,安定したプラズマ生成に成功した.また昨年度はプラズマ密度が10^9 /ccであったのに対し,今回の方式ではそれよりも一桁高い 10^10 /ccのプラズマ密度を達成した.さらにプラズマが濃い部分と薄い部分の比は高周波電力によってあまり変化せず,0.6-0.7程度の値を示すことが明らかになった. さらにGHz帯マイクロ波に対する伝搬禁制帯 (バンドギャップ) の存在を検証するために,プラズマ周期構造の両端にダイポールアンテナを設置し,ネットワークアナライザを用いてプラズマ構造を含めた透過係数の測定を行った.ここで生成されたプラズマによる透過係数の変化をみるために,プラズマを生成した状態で計測したS21を,プラズマを生成しない場合のS21で規格化したものを透過係数と定義している.その結果,2GHz以下の周波数帯の電磁波は伝搬できないことがわかり,さらに3 GHz付近の周波数帯に,透過係数が小さい領域が存在することが観測された.これがバンドギャップに相当していると考えられるが,今後理論的な解析と電磁波解析コードによるシミュレーションなどが必要になると考えられ,現在理論解析を開始しているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年目の実験で高密度の周期的プラズマ構造の形成とバンドギャップの信号までを観測している.また次年度以降のバンドギャップ形成に関する数値解析なども進めているため,おおむね研究遂行は順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成25年度には,バンドギャップ特性のプラズマ密度依存性やガス圧依存性などを計測し,外部パラメータに対する振る舞いを実験的に明らかにするとともに,現在進めている理論解析結果と比較・検討する. またネットワークアナライザとアンテナの間に比較的大電力の高周波アンプを挿入し,非線形現象の探索などの将来的な研究展開へ向けた萌芽的な実験を推進する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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