2012 Fiscal Year Research-status Report
連続供給固体希ガスターゲットによるレーザープラズマ真空紫外光源の研究
Project/Area Number |
23654204
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
天野 壮 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教 (50271200)
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Keywords | レーザープラズマ光源 / 真空紫外 / 軟X線 / 希ガス / 極低温 |
Research Abstract |
本研究の目的は、真空紫外領域で今までに無い波長をカバーする新型の高効率・高輝度・高平均出力の連続発生レーザープラズマ光源を開発する事である。現在、真空紫外からX線領域の光源として放射光施設が使われているが、装置が大きくコストも高いため、産業応用上代替えの光源が求められている。本研究では、プラズマターゲット材として冷却固化した希ガスを選んだ。希ガスは、プラズマ化した際、周辺の光学系に付着しないという「デポジションフリーターゲット」であり、 いわゆる「プラズマデブリ問題」が少ない。このため連続運転し易く産業応用光源に向いている。さらに、発光効率増加を狙って、固化して密度を上げる事にした。そのため、ほとんどすべての気体、液体材料を冷却固化できる温度~10Kまで冷やせる密封型ヘリウムクライオスタットを用い、固化した希ガスターゲットをレーザー照射点に連続供給する装置の開発に着手した。ターゲットを連続供給する駆動物を極低温にしてこれを維持するというのが技術的課題であったが、前年度までに試作を終えてその目処をつけた。今年度は、その試作機を改良してレーザープラズマ光連続発生を実証した。即ち、波長1ミクロンのQスイッチNd:YAGレーザーを集光して、キセノンターゲットで10Hz、クリプトンで1Hzのレーザープラズマ光連続発生に成功した。アルゴンターゲットについても、プラズマ光連続発生のための動作条件最適化を図っている所である。今年度はまた、そのプラズマ発光を調べるための真空紫外分光システムも完成させた。今後これを用い、発光特性を明らかにしてレーザー条件の最適化などを進めて行く。以上の成果により最終年度は、新型真空紫外連続発生レーザープラズマ光源を完成させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通りアルゴンターゲットの連続供給はできたが、このレーザープラズマの発光特性を調べるまでには至らなかった。これは、当初考えていた真空紫外分光システムが、プラズマ光マルチショットを波長走引するタイプであり、スループットが悪すぎてうまく機能しなかっためである。このため、シングルショットでスペクトルが測定できるシステムに変更し今後測定可能とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まではターゲット供給装置の改良に注力してきたが、今後はそれを用いたレーザープラズマ発光自体について調べて行く。即ち、準備された真空紫外分光システムを用いてその発光特性を明らかにして、レーザープラズマ光源としての評価を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に予定していた分光実験が分光システムの不調により遅れたため、それに用意していた費用が次年度繰り越しとなった。この繰り越し分と次年度請求分は、当初計画通り、分光特性を調べるための光学素子、機械部品、ターゲット材料等費用に充当する。
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Research Products
(2 results)