2012 Fiscal Year Annual Research Report
水の水素結合ネットワークの微視的理解に向けた真空紫外光電場イオン化分光法の開拓
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23655002
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
松田 欣之 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70400223)
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| Keywords | クラスター / 電場イオン化 / 真空紫外光 / 水 |
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| Research Abstract |
本研究課題では、水クラスターのサイズ選別振動分光研究に向けて、その分光原理および真空紫外光を用いた電場イオン化法を開発するのが研究目標であり、それに向けた装置開発およびレーザー分光研究を行った。真空紫外光を用いて電場イオン化できる高電圧パルス発生用のスイッチャーを自作し、飛行時間型質量分析計へパルスの加速電圧として導入した。また水クラスターを一光子イオン化できる短波長(高エネルギー)の真空紫外光を発生できる希ガスセルおよび水銀セルを作製した。それらの作製したセルを用いた試行実験として、アセトン、ジエチルエーテル、トリメチルアミンなどの非プロトン性分子の中性クラスターとクラスター正イオンの赤外分光研究を行った。その結果、それらの非プロトン性分子クラスターのイオン化において、CH結合からプロトン移動が起こることが見出された。また水クラスターのモデルとして、酸素原子を硫黄原子に置換した硫化水素のクラスターの赤外分光研究を行った。それによりこれまで気相孤立系において研究困難であった硫化水素のクラスターにおける、SH結合のプロトン供与性について微視的知見を得た。以上の結果は、本研究課題提案の分光原理を実証した結果である。
さらに作成した高電圧パルス源とガスセルを組み合わせて用いることにより、真空紫外光を用いた電場イオン化法を開発した。今後、本研究課題で開発した真空紫外光電場イオン化法を、水クラスターの分光研究に応用していく。
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