2011 Fiscal Year Research-status Report
新しい水素結合ネットワーク素材としての縮環マロナミド:次元制御構造構築とその応用
Project/Area Number |
23655024
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 英敏 東京理科大学, 理学部, 准教授 (50322798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝紀 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70202132)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水素結合 / アミド / 結晶構造 / 次元制御 / 自己集合 / 超分子 |
Research Abstract |
本研究では、非常に単純な化合物である2,2-インダンジカルボキサミド誘導体が水素結合形成により強固な2次元シート構造へと集合することを利用し、その構造修飾により、0~3次元までの多様な構造の次元制御とその応用を目的として研究を行っている。23年度においては、(1)π共役ユニットの2次元シート状への規則配列、を目的とし、10種近くの誘導体を合成し、その単結晶X線構造解析を行い、その集積様式の規則性を調査した。基本的に1分子あたり8本の水素結合が形成され、上下に縮環構造が突き出た2次元シート構造を形成し、それらがInterdigitate型に重なることでπ共役ユニットが近接することが分かった。π共役ユニットの幅が広い場合、シート間の重なりはInterdigitateではなく、Segregate型で重なる傾向も認められた。今後、これらの分光学的特性を評価していく予定である。また、(2)2次元シート構造を形成する構造的要因および限界、を調査するため、縮環員数の異なるシクロアルカンジカルボキサミド(n=3-7)を合成し、そのX線構造を調査した。3員環では分子内水素結合を形成し、テープ構造に集合する一方で、4員環以上の縮環マロナミドは2次元シート構造を形成することを明らかにした。また、(3)嵩高いトリプチセン骨格を縮環することで水素結合形成方向を制御すると、2次元シート構造を形成できなくなり1次元伸長構造を形成する、と考え、トリプチセン縮環体を合成したところ、実際に、直径数十nm、長さ数百μmの1次元ファイバーを形成することがわかり、芳香族溶媒などをゲル化することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに10種以上の多様な新規化合物を合成し、それぞれ単結晶構造解析によりその集合構造を明らかにしてきた。その結果、本研究の根幹となる縮環マロナミド構造が規則正しい集合構造をとることを明らかにすることができ、本来、予測が難しい結晶中での集合構造の設計が可能になってきている。また、その水素結合の方向性を阻害することで構造の次元制御が可能であるという考えをもとに設計、合成したトリプチセン縮環体は、予想通り1次元伸長構造を形成することから、分子設計により集合構造の次元制御が可能であることを実証しつつあるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで合成してきたπ共役ユニットを有する誘導体において、その集合構造が分光学的特性など物性にどのような影響を及ぼしているか調査していく。また、0次元カプセル、1次元チューブ構造、3次元格子構造といった次元制御構造の構築を検討していく。またそれらが持つ物性についても調査していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費はおもに新規化合物合成のための試薬など消耗品に使用する予定である。また、諸物性の測定に要する依頼測定にも使用する予定である。また、これまで得られた成果を報告する諸費用にも使用予定である。
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Research Products
(8 results)