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2011 Fiscal Year Research-status Report

酸配位ジアゾニウム炭素活性種の合成的利用

Research Project

Project/Area Number 23655036
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

橋本 卓也  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20437198)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsジアゾ化合物 / 酸 / 不斉合成 / 触媒
Research Abstract

23年度の研究計画においては、分子内Friedel-Crafts 型反応(C-H 挿入反応)およびX-H 挿入反応を検討することとしていた。当初の計画通り、光学活性チタンルイス酸によるFriedel-Crafts 型反応を探求したところN-フェニルジアゾアセトアミドのBINOL-Ti 錯体による分子内環化反応が高立体選択的に進行する系の構築に成功した。本反応によって得られる光学活性オキシインドールは生理活性物質に多くみられる構造であり、その合成的価値は高い。またオキシインドールの光学純度を損なうことなくその誘導化を行うことにも成功した。なお過去の文献においてはこのようなジアゾ化合物のC-H挿入反応には高価な後期遷移金属触媒が必要とされており、その常識を覆す反応である。近年安価で入手容易な代替金属や有機分子を触媒として用いた有機合成の成長が維持可能社会の実現に必要であるとされ、本研究はそのような観点からも今後さらなる発展が期待される。さらに触媒活性種の同定についても詳細な検討を行った。その結果同反応はチタンルイス酸の直接関与による反応ではなく、チタンルイス酸に配位したBINOL由来のプロトンによる直接的不斉プロトン化が鍵となっていることが示唆された。このことに基づき、BIMNOL-Ti触媒系にさらにプロトン源として嵩高いフェノールを導入することによる触媒量の低減にも成功した。このようなプロトンが鍵として働く反応であることが示されたことから今後キラルブレンステッド酸触媒を用いた反応開発の実現性が一層高まったといえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績に示したように、当初計画通り目的とする反応の最適化および機構解析に至るまで達成されており、順調に進行しているといえる。また機構解析の結果プロトン酸の重要性が明らかとなったので次年度へのステップとしてもいい結果を得ている。

Strategy for Future Research Activity

23年度の研究結果により、プロトンが触媒反応の鍵となることが明らかになったので、当初予定していた通り、キラルブレンステッド酸触媒の適用による不斉X-H挿入反応の実現を目指す。また同時にこの特異な反応形式を利用した新規反応開発も行うこととする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

23年度においては、研究成果を出すことに専念し成果発表に必要となる学会への参加を見送ったため旅費が計上されなかった。また研究に用いる試薬の種類および量は研究状況によって大きく変わり、当初予定よりも少ない物品費となった。このことから次年度使用額が生じた。24年度には得られた研究成果を発表する学会参加を積極的に行う。またより挑戦的な研究を行うため、試薬、シリカゲル、ガラス器具などの物品費を多く必要とする予定である。

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Published: 2013-07-10  

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