2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 一邦 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40432463)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / 二次元ポリマー / STM / 固液界面 |
Research Abstract |
本課題では、固液界面での自己集合と化学反応性がプログラムされた有機分子を用いて、二次元ポリマーを合成することを目的としている。具体的には、(1)「イミン形成反応を利用した二次元ポリマーの合成」と、(2)「ジアセチレン間の橋掛反応による共有結合形成」の二つの課題に取り組んだ。 課題(1)については、固液界面におけるホストネットワークとゲスト分子のイミン形成反応を利用して、部分的に連結された分子ネットワークの形成がSTM観察により示唆される結果が得られた。この際、酸触媒の添加が必須であった。続いて、固液界面で作成したフィルムを、溶媒で洗浄し乾燥してドライフィルムを作成し、その構造をSTMとAFMによって明らかにした。ドライフィルムについてはXPS測定を行い、窒素の1s電子の結合エネルギーから、イミン形成の有無の確認を試みたが、ピーク強度が弱く明確な結果は得られなかった。 課題(2)については、設計したジアセチレン部位が含まれるアルキル基を持つ分子が大気下安定な多孔性ネットワークを形成することを明らかにした。予想外の成果として、この分子がグラフェン上でも多孔性ネットワークを安定に形成することを見出した。一方、光照射や熱による共有結合形成を試みたが、反応の進行は見られなかった。そこで、ドライフィルムを超高真空条件に導入し、電子線照射で重合反応を試みたが、こちらも反応の進行は見られなかった。そこで、ジアセチレン部位の反応性を向上させることを目的として、片方のジアセチレン部位のアルキル基を水素原子で置換した分子の合成を開始した。 上記の結果は固液界面における二次元ポリマーの合成という挑戦的な課題について、有機合成化学の知見をもとに取り組んだものであり、これらは最終目的達成に必要不可欠な知見であり重要な成果である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Harnessing a Diacetylene Unit: A Molecular Design for Porous Two-Dimensional Network Formation by Self-Assembly of Alkoxy Dehydrobenzo[12]annulene Derivatives at the Liquid/Solid Interface2014
Author(s)
Tahara, K.; Adisoejoso, J.; Inukai, K,; Lei, S.; Noguchi, A.; Li, B.; Vanderlinden, W.; De Feyter, S.; Tobe, Y.
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Journal Title
Chem. Commun.
Volume: 50
Pages: 2831-2833
DOI
Peer Reviewed
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